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防犯ボランティア活動紹介WEBマガジン
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取組主体の概要現役世代を中心とした防犯パトロール隊
地域東京都足立区

40歳代以下の現役世代を中心とした防犯ボランティア
 現在、全国の防犯ボランティアは、その団体数、構成員数も増加しています。その反面、活動メンバーの高齢化や固定化が問題になっており、これからの課題にもなっています。
 そんななか、平成23年度の警察庁事業として「現役世代の参加促進を図る環境づくり支援事業」が実施されました。これは、選定された防犯ボランティア団体に「青色防犯パトロール活動」や「夜間活動」等の自主防犯活動に必要なパトロール用品の貸し出し等の支援を行い、40歳代以下の現役世代が活動に参加しやすい環境づくりや、活動への積極的な参加を図るものです。
 この事業において、警察庁により選定された実施団体のひとつが「うめだ防犯パトロール隊」です。10月16日、西新井警察署にて開かれた「うめだ防犯パトロール隊」の出発式を取材しました。
【白バイ、パトカーを先頭に、うめだ防犯パトロール隊ほか9車両が出発】
白バイ、パトカーを先頭に、
うめだ防犯パトロール隊ほか9車両が出発

「私たちにできること」から始まった防犯パトロール
写真左より、代表の長﨑豊さん、副代表の川島誠一さん、隊長の星守男さん  長﨑豊代表、川島誠一副代表のもと、16名の隊員で構成される、うめだ防犯パトロール隊は、足立区梅田地区に居住するみなさんによって、2011年春に結成されました。代表を務める長﨑さんに、結成に至った経緯などを伺いました。
 「結成のきっかけは、3月に発生した東日本大震災を目の当たりにして〝何かできることはないか〟と思ったことでした。私たちは全員、仕事を持っているので、被災地に行って手伝うことはできません。けれども、この地域に震災などがあった場合でも〝地域の人の助けになれる組織を〟と考え、まずは防犯パトロールに取り組みました」と長﨑さん。
 そして震災後間もない4月6日に、長﨑さん、川島さん、三浦さんの3人で夜間のパトロールを開始しました。
 「もともと地元梅田神明町会の防火部副部長を務め、そこでも防犯パトロールをしていました。その仲間や、町会に属していない若いメンバーにも声かけをしたところ、どんどん仲間が集まりました」と長﨑さん。
 それから徐々に隊員が増え、現在の16人に至っています。いまも隊員は募集中とのことです。
仕事とボランティアを両立するうえでの工夫も
式典にて、決意表明書を手渡す代表の長﨑さん
 式典にて、決意表明書を手渡す代表の長﨑さん
 仕事に忙しい現役世代が活動しやすいために、仕事の後でも集まりやすい、午後8時から活動を始めています。若い隊員のなかには、前もって活動日以外に残業をしておくなど、時間のやりくりをしている人もいるそうです。
 隊員が増えた現在では、チームを2つに分けて活動中。第1・第3水曜日に活動する星隊長のチームと、第2・第4水曜日に活動する濱田隊長のチーム。それぞれが毎週午後8時から約1時間、住宅街や公園の見回り、街灯・消化器の点検、公園のゴミ拾いなどを行っています。
 副代表の川島さんにお話を伺いました。
 「震災後、節電の影響で薄暗くなった路地や脇道の見回りをすることは、犯罪の防止に役立つのではと思っています。とくに夜間の暗い脇道は危ないですし、重点的に見回るようにしています」と川島さん。
 その結果でしょうか、パトロールをするようになってから、夜の公園にたむろする子どもたちが減り、出会う住民の方々には「まちが安心になりました」と声をかけていただくこともあるそうです。
 そして、今回の式典で認証を受けて、青色回転灯が貸与されることになりました。「これからは登録してある2台の車で夜間の見回りを強化していきたいですね」と長﨑さんも意欲十分です。
うめだ防犯パトロール隊に寄せられる期待の声
 出発式の式典では、警視庁河合生活安全部長をはじめ多くの来賓の方々より、うめだ防犯パトロール隊に多くの祝辞が述べられました。
 「現役世代の参加促進を図る環境づくり支援事業」については、現役世代の防犯ボランティアへの参加促進を図るための環境づくりを支援するものではありますが、50歳以上の参加者の募集を妨げるものではないこと。現在、おもな活動の担い手であるシニア世代と現役世代が、ともに手を携えて活動に取り組める環境づくりが大切である、と式典内で強調されました。
 続いて、足立区石川義夫副区長は「小さい犯罪を徹底的に取り締まることで、足立区の犯罪件数ワーストの汚名返上を目指したい。昨年はワースト1を脱却しましたが、ここにも防犯ボランティアの方々の力がとても役立っていると思います」と、うめだ防犯パトロール隊をはじめとした区内の防犯ボランティア団体の活動に期待を寄せました。
 また、東京都の樋口青少年・治安対策本部長からは、現役・若者など様々な世代が個々の活動にとどまらず、互いに交流して地域の絆を深めて欲しいとの祝辞をいただきました。
警視庁河合生活安全部長による挨拶
警視庁河合生活安全部長による挨拶
足立区石川副区長による挨拶
足立区石川副区長による挨拶
東京都樋口青少年・治安対策本部長の祝辞
東京都樋口青少年・治安対策本部長の祝辞
若い隊員とともに防犯ボランティアを継承していきたい
長﨑代表と整列した隊員たちによる出発申告
 長﨑代表と整列した隊員たちによる出発申告
 16人の隊員の年齢は20〜60歳代と幅広く、中心をしめるのは30、40歳代。若い隊員を集めた理由について、「活動をずっと長く続けていきたい、また、さらに下の世代までを巻き込んで、防犯パトロール隊を継承していただきたいからです。私たちもいずれ、ある程度の年齢になればシニア世代になるわけですから」と長﨑さんは語ります。
 30歳代の若手隊員で隊長を務める星さんは、長﨑さんに活動に誘われたときのことを振り返ります。「田舎が仙台なのですが、震災後、向こうに行けないもどかしさがありました。でもいま、住んでいるまちのために何かできることはないかと、参加を決意しました」と星さん。
 出発式の式典の後半に、長﨑さんの決意表明がありました。「一人ひとりは小さな存在ですが、みんなが力を合わせ、その輪を広げれば、きっと大切な人やまちを守る力になれると確信しております」
 その言葉には、地域の安全安心、青少年の健全な育成のために貢献したい……そんな隊員たちの思いが込められているようでした。


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