第2回東京都安全・安心まちづくりアカデミー修了生活動紹介 |
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第2回は、平成16年前期に第1期生として受講され、上野6丁目防犯パトロール隊隊長として活躍されている、上村直裕さんにお話をうかがいました。 |
〔写真中央が上村さん〕
パトロール活動を始める前のことですが、私が経営する店の近くでお客様(女性)を見つけたので、後ろから声をかけたところ慌てて走り去ってしまったのです。後日来店したときにそのことを話したら、「黒服と呼ばれる勧誘と間違いました。この近所に黒服がたくさんいて困っています。」と言われ、思わず外に出てよく見てみると、いたるところに黒服の男たちが立っていて女性に声をかけていたのです。いつも通っている道であっても関心がなければ気がつかないものだと思い、商店街連合会会長と一緒に街を歩いたところ、露天商や違法看板が多くて、これは早く防犯パトロールを始めなければお客様の足が遠のいてしまうと危機感を持ち、すぐにパトロール隊を立ち上げました。
最初は、商店街に防犯カメラを付けようということで上野警察署に相談に行ったのですが、とても親身になって対応していただきました。ある時町会の会議で、「最近警察官が頻繁にパトロールをしてくれるようになったね。」という声を聞き、お礼を言いに警察署に行ったところ、「パトロールの回数は以前と変わりませんよ。皆さんが私たちのパトロールに関心を持つようになったからそう感じるのでしょう。」と言われ、私の「黒服」の話もそうですが、一人一人が「防犯」について関心を持てば、警察と同じ視野で物事を見ることができ、今まで見えなかったものが見えてくると感じました。パトロールを初めて2か月くらいのころ、上野警察署長以下の幹部の方々と会議をする機会があり、その席で当時の署長が「半年で成果を出します」と言われ、実際に半年で違法な店が閉鎖になるなどの成果があったこと、第1回の合同パトロールで約70人の警察官に来ていただいたことなどから、さらに警察と街との信頼関係ができてきたように思います。
活動は月2回、夜8時ころから約1時間パトロールを行います。パトロールの前後には必ず会議を行い、商店会長、町会長、警察から話をしていただき、意見交換を行います。また、同行する交番の警察官に自己紹介をしてもらっているため、お互いの顔を覚えることができます。自分たちの街は自分たちで守るという気持ちが強いからか、隊員のほとんどは商店のオーナーや役員です。最初は、「月2回のパトロールで何ができるのか」という意見もありましたが、無理なく継続するためにはということで始めました。今までに「露天での販売や黒服による勧誘がなくなり歩きやすくなった。」という声が聞かれるなど成果も着実に上がっていると思います。
〔水谷 仲徒3・4町会長あいさつ/上野駅前交番の警察官の自己紹介〕
〔以前露店があった場所〕
7月のサミットに向けて、町会や商店会、パトロール隊などが地域で協力していくため、「上野警察署サミット警備地域協力会」が発足する運びとなり、今日はその発足式を行いました。
〔上野警察署長あいさつ/早津 上野商店街連合会会長あいさつ〕
パトロールが中心になると思います。サミットは北海道で開催されますが、ロンドンの例があるように東京がテロの標的になる可能性が高いと聞いていますので、そのような意識を持って協力していきたいと思っています。
続けていくことが大事だと思うので、「できる範囲で無理せずに続けていこう」と思っています。現在、東京都安全・安心まちづくりアカデミー同窓会の会長をさせていただいていますが、今後ボランティアがみんなで問題を解決していけるボランティアサミットのようなことができれば理想的ですね。
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