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コロナ対策で生まれた、新たなパトランのスタイル

パトラン東京 荒井 由美子さん

 「パトラン」とは、「パトロールランニング」の略。文字どおり、ランニングをしながら防犯パトロールをするという意味の造語です。
 普段のランニングやわんちゃんのお散歩の際に、防犯やまちの見守りをプラスする「ながら見守り」は、新しい防犯ボランティアのスタイルとして全国的に定着しつつあります。2012年から日本各地で活動している『パトランJapan』。平成31年4月には、東京都内を中心に活動するメンバーが集まり『パトラン東京』を結成し、約1年が経過した現在まで日々の活動を精力的に続けられています。
 ところが、コロナウイルスの感染拡大を受け、複数名でまちの安全を見守りながら走るパトラン東京の活動は、令和2年2月を最後に休止となっています。
 とはいえ、さすがに皆さんアスリート。この程度の逆風にはへこたれません。「みんなで集まって走るのが無理なら、一人ひとりが別々の場所で走ればいい。でも同時に走れば、一緒に走るのと同じじゃないか」と、新たなスタイル「シンクロパトラン」を打ち出したのです。
 令和2年6月17日、世田谷区内で活動するパトラン東京のメンバー荒井由美子さんの活動を取材しました。
パトラン東京 荒井 由美子さん
パトラン東京 荒井 由美子さん
 「私自身もそうですが、パトラン東京のメンバーの中には毎月実施している合同パトランに参加することができず、自宅周辺などで個々に活動するメンバーがたくさんいました。」と荒井さんは話します。
 荒井さんによれば、メンバーが集まって合同パトランを実施するのは新宿区や台東区、葛飾区等、限られた地域であり、参加したくても時間や場所の都合で参加できないメンバーがたくさんいるとのこと。
 もちろん、ひとりで走るときでも背中にパトロールランニングと記載された赤いTシャツを着用し、活動後にはSNSを利用してお互いにパトロール結果を報告していましたが、そんな活動を続けるなか、荒井さんにはひとつのアイディアが生まれました。
 パトラン東京のメンバーのうち女性は12~13人ほど、仕事や家事、育児などの都合で、合同パトランに参加するのが難しいという悩みをもっている人がたくさんいました。今回のコロナ禍で、合同パトランが中止となり、何か良い方法がないかと考えていたところ、一人ひとりはソロでランニングしつつ、スタートとゴールの時間などを決めておき、走る前と走った後にオンラインで繋がるスタイルを思いつきました。」と話す荒井さん。
 この新しいスタイルこそが「シンクロパトラン」、荒井さんによれば、メンバーから非常に好評とのこと。
スタート前にSNSを利用し全員でリモート通話し、メンバー同士の連帯感を強めます。
スタート前にSNSを利用し全員でリモート通話し、メンバー同士の連帯感を強めます。
 決めるのは日時だけ。スタート時とゴール時には、複数同時通話が可能なSNSの機能を使って、参加者たちでコミュニケーションを取る。走るのは30分でも60分でもオーケー、走るコースも個人の自由。ドタキャンだって大歓迎……と、パトラン東京の女性メンバー全員に呼びかけたところ、多くの賛同を得られたのだそうです。
 今回荒井さんには、パトランコースを決めるにあたり、当サイト内の子供の安全マップを活用してもらいました。同マップでは、子供に対する不審な声掛け事案の発生場所や、侵入窃盗、ひったくり等の街頭犯罪の発生地域を確認することができます。
「子供の安全マップ」を活用してコース探索
「子供の安全マップ」を活用してコース探索
 オンラインで参加メンバーとの顔合わせ後は、各自それぞれの場所でパトランをスタート、荒井さんが走る世田谷区のほか、今回は台東区、練馬区、板橋区などでパトランが行われました。
 パトロール中にゴミの不法投棄や電灯切れがあった場合には写真を撮り、後日、自治体などの管理者に連絡を行います。今回のパトランでもマットレスや座椅子、衣装ケースが路上に捨てられているのや、電灯が切れているのを発見し、後ほど管理者に連絡をするそうです。
パトロール中に発見した路上に捨てられているマットレス
パトロール中に発見した路上に捨てられているマットレス
パトロール中に発見した明かりが切れた街路灯
パトロール中に発見した明かりが切れた街路灯
 パトロール開始後、30分、60分の区切りの時間に再びSNSでリモート通話を行い、途中経過の報告やメンバーの入れ替わりがあります。この日もパトロール開始30分後には小金井地区のメンバーが加わりました。
 活動前後にリモート通話を行うことで、「別々ではあるけれど同じ時間に走った」という一体感が生まれます。
「コロナウイルスの感染防止対策として、苦肉の策として始めた企画ですが、実際にやってみてメンバー同士の一体感は予想以上でした。オンラインとはいえ、みんなと繋がっている感覚をすごく強く感じます。」と話す荒井さん。
 今後は、コロナウイルスの感染状況を鑑みて、徐々に合同パトランも再開しつつ、シンクロパトランのような新しいスタイルも併用して、更に活動の幅を広げていくことが期待されます。
ランニング中は一人でも、オンラインで仲間との繋がりを感じられるそれが「シンクロパトラン」
ランニング中は一人でも、オンラインで仲間との繋がりを感じられる
それが「シンクロパトラン」

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