東京都都民安全推進本部長賞表彰式
誰もが安全に安心して暮らせるまちづくりのための重要な柱のひとつが、「市民防犯」。都内には様々な防犯ボランティア団体が活動しており、それぞれの地域で、通学路における子供の見守りをはじめ、繁華街では客引き対策や違法な貼り紙・看板の撤去などを行っています。
東京都では、日頃から熱心に防犯ボランティア活動を行っている個人および団体に対し、その功績を称えるとともに、感謝の意を表するため表彰を行っており、10月29日(火)、都庁内の都民ホールにおいて「令和元年度 東京都都民安全推進本部長賞表彰式」が執り行われました。
表彰式では、まずはじめに都内で長年防犯活動を継続的に実施された方々など、33名21団体の表彰状受賞者、受賞団体名が読み上げられ、東京都都民安全推進本部長から表彰状が授与されました。
続いて、地域での防犯パトロール活動や登下校における子供の見守りなどの地道な防犯活動を実施した団体など、28団体の感謝状受賞団体名が読み上げられ、東京都都民安全推進本部長から感謝状が贈呈されました。
式辞に立った國枝都民安全推進本部長は、受賞者に感謝の意を伝えるとともに、次のように述べました。
「東京都の刑法犯認知件数は、平成14年の約30万件をピークに、昨年は約11万4000件まで減少しております。これは、警察や自治体の力だけでは決して成し得るものではなく、防犯ボランティアの皆様が日々、真摯な活動を積み重ねてこられたことに支えられているものです。当本部では、今後も日夜地域の安全を見守っておられる防犯ボランティアの方々の活動支援を促進し、地域の防犯力向上に努めて参ります。来年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、来日される世界中の方々に、東京が世界に誇れる『セーフシティ』であることを実感していただけるよう、これまで以上に皆さんと手を携えていく所存であります。今後も安全安心まちづくりの推進にご協力をお願いします。」
続いて、受賞者を代表して、3団体の代表者がスピーチを行いました。
初めにスピーチを行った渋谷センター街パトロール隊隊長の鈴木達治さんは、「結成は平成15年。当時の渋谷センター街は、今に比べると街が荒れており、誰もが安全に安心して遊びに訪れることができる街とは言えない状況でした。そこで私たちセンター街を愛する市民が集まり、『治安なくして街の繁栄はない』と団結し、日夜奮闘した結果、街の治安は向上し、現在は世界中から多くの方が訪れ、楽しんでもらえる渋谷を取り戻せました」などと、日本有数の繁華街である渋谷の街を守ってきた貴重な体験談を話してくれました。
二番目にスピーチを行ったのは、一般社団法人ランガールの皆さん。
ランガールは、モデルやフリーアナウンサー、看護師、現役のマラソンランナーなどの女性ランニング愛好家13名によるグループ。「ランニングは、道路や公園をお借りしないとできません。使わせてもらうばかりじゃなく、何か街に貢献できることをやりたい。」との思いがスタートでした。現在は、「走る女性のパワーで毎日を豊かに」をモットーに、「ラン&クリーン(走りながらゴミ拾いをする)」や「ラン&セーフティー(走りながら街を見守る)」などを行っています。
最後にスピーチを行ったのは、昭和女子大学心理学科教授の清水裕さん。
昭和女子大学心理学科(教員2名と有志学生8名)の活動は、まさに地域に根差したもの。学舎の最寄り駅での痴漢防止キャンペーン参加をはじめ、スーパーマーケットでの万引き防止活動、オレオレ詐欺防止広報活動などを積極的に行っています。
学生たちの指導にあたる清水裕教授は、「今回の受賞を機に、より一層の活動に邁進してまいります。」と力強く語っていました。
最後に、受賞者全員で記念撮影を行い、表彰式は幕を閉じました。
本表彰は、平成28年から実施しており、今回で4回目、今後も地道な防犯ボランティア活動を継続的に行っている個人や団体の功績を称えることで、防犯ボランティア活動の普及、促進への一助となることが期待されます。