地域の危険箇所改善指導者講習会を開催しました! |
東京都は、11月5日(木)に武蔵野市の武蔵野スイングホールで、11月30日(月)に世田谷区の北沢タウンホールで、地域の危険箇所改善指導者講習会を開催しました。この講習会は、地域の危険箇所点検とその改善手法を学び、具体的に改善計画づくりを行うものです。それぞれの区市と共催して実施し、武蔵野市で40名、世田谷区で37名と、いずれも地元の町会や自治会を中心に多くの防犯リーダーの方にご参加いただき、活気溢れる講習会となりました。
当日の流れ | |
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最初に、筑波大学准教授の雨宮護氏(11/5)、東京大学准教授の樋野公宏氏(11/30)から防犯まちづくりの基本的な考え方や調査手法に関しての講義です。
犯罪を未然に防ぐためには、自然監視性(特定の空間に通行人などの「目」が自然と行き届く状況)や領域性(公共空間の適切な維持管理や住民の“わがまち意識”の醸成)が重要であるとし、誰もが取り組みやすい「プラス防犯」(※1)の活動紹介がありました。
花や庭木の手入れ、道路や公園の清掃などの活動に、防犯の要素を加えることで、地域の防犯力を高めていこうとする取組
(例)
・犬の散歩をしながら近所を見回るわんわんパトロール
・小学校PTAが自転車に乗りながら子供も見守る
・民間事業者が業務を行いながら地域を見守る「動く防犯の眼」
・花育てを通じた子供見守り活動
次に本日の作業の説明です。子供が犯罪被害に遭いやすい道路や公園の調査方法や分析方法等について画像等を用いて説明されました。調査に基づく危険箇所マップの作製は、地域の課題を視覚化し、「誰が」「いつ」「何を」「どのように」取り組むことが効果的であるかを考える上で重要となります。
その後、「地域改善計画」の作成について説明されました。安全・安心なまちづくりのためには、住民によるソフト面の活動が不可欠であり、地域改善計画案の作成に当たってもそのことに気を付けるように注意がありました。
さて、実際に班ごとに地域に出て約1時間、役割を分担して専用の調査シートに記入しながら協力し合って進めます。
1区間約100メートル、全8区間を子供が歩く速さ(毎分60m程度)で歩きます。
みまもり量調査
:調査中にすれ違った人や自転車、自動車等の数をカウント
物的状況調査
:路上の死角や歩車分離、防犯カメラなどをチェック
管理状況調査
:ポイ捨てや落書き、掲示板の管理状況などをチェック
設計調査
:周囲からの視線の確保、園内から周囲への見通し、トイレの位置や構造などをチェック
利用調査
:落書きや不法投棄、子供や高齢者の利用状況などをチェック
参加者は道路担当と公園担当の5つのグループ(1グループ8名程度)に分けられ、すべての参加者に役割が割り振られました。
フィールドワークから会場に戻ったら、ミーティングです。調査を振り返り、気付いた点や感想を話し合い、調査結果や写真等をもとに危険箇所マップを作成します。手作りの同マップは、メンバー間の地域課題の共有化にとても効果的です。
調査を行った道路や公園の地図を拡大した模造紙に、危険と思われる場所へ写真やコメント付きの付箋紙を貼り付けます。コメント記入はとても大切で、危険と判断した理由などをメモします。
いずれの講習会も参加者は意欲的に取り組み、写真やコメントで埋め尽くされた危険箇所マップが完成しました。
作成した危険箇所マップをもとに、課題に優先順位をつけながら、改善策やその取組主体、実施時期を検討します。その際、多くの時間や経費を要するハード整備ではなく、みんなですぐできるパトロールの強化、地域清掃、登下校見守りやプラス防犯の取組に力を入れることがポイント。講師等の助言もあり、より実践的な計画案が作成されていきます。
各グループは約5分で地域改善計画を発表し、中には「明日からでもすぐにやる」「プラス防犯を実践する」「町会のメンバーとよく話し合いたい」などの頼もしい決意表明もありました。講師等からはグループごとに補足説明や実践に向けた助言がありました。
すべてのグループが発表した後、講師から「今日の調査内容はかなりレベルが高いです。すべてをこのとおりにやる必要はありませんが、各地域にてまずは始めることが大切です。また、本日発表いただいた改善計画は工夫されたもので感心しましたが、各地域で調査や改善を実践される際には、より一層地域特性に合わせて実施することを期待しています。」と全体を通した講評がありました。
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