月に1回の環境安全運動 |
活動の中心となっているのは、「銀座通連合会」という地域振興会。銀座通りと晴海通りに面するすべての商店が加盟し、『京新聨合會』という名称で発足したのが大正8年(1919年)とのことで、すでに100年以上もの長い歴史を誇る団体です。 取材班がお邪魔した日には、月に1回のペースで行われている環境安全運動の一環として、放置自転車対策のパトロールが予定されていました。ところが残念ながら、あいにくの空模様のため直前で中止に。そこで事務所に集まって関係者の意見交換会のみが行われることになったのですが、出席したのは実にさまざまな組織の担当者たちでした。 まずは、所轄である築地警察署から課長の方々。さらに、中央区役所、東京都第一建設事務所、国土交通省・東京国道事務所、中央区保健所など。そこに全銀座会の町会や通り会、百貨店などの担当者が加わります。普段は東京地下鉄からも参加があるそうです。 発言されるのは、主に各組織からの報告や質疑応答で、その内容を関係者一同で共有していきます。たとえば国道事務所からの報告は、一部劣化していた道路敷石の補修完了についてと、枯れてしまった街路樹への対応方針などが発表されました。 |
誰もが真剣です |
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防犯活動を積極的に発信 |
この4月に異動してきたばかりという築地警察署の生活安全課長からは、「つい先日のことですが、いわゆる給付金詐欺の被害防止をしていただいたタクシー運転手の方に感謝状をお渡ししました。騙されそうになっているお客さんの様子を見て、それが詐欺だと見破ってくれたのです。この件をメディアに広報したところ、ずいぶん大きく取り扱ってもらえました。今後も、こうした防犯活動について積極的に発信していきたいと思っていますので、ぜひともご協力をお願いいたします」との挨拶がありました。 |
築地警察署の皆さん |
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吸い殻は、単なるゴミではない |
防犯・防災・美化など多方面にわたる議論が続くなか、最も長い時間を割いて話し合われたテーマがありました。今、銀座という街が直面しているその課題とは、増え続けているゴミへの対処です。 コロナ禍が収束して以降、銀座への来訪者数は右肩上がり。それは商業地として喜ばしいことなのですが、人が増えると同時にゴミも増えてしまう――。特に目立つのがタバコのポイ捨てだそうです。 タバコの吸い殻は単なるゴミではなく、火事という災害を引き起こす可能性がある“火種”でもあることから、何らかの対策が必要との認識で一致していました。 しかも、この日は4月22日。普段よりさらに多くの来訪者が予想されるゴールデンウィークを控えていることもあり、対策は急務のようです。 およそ1時間にわたり、こうして続けられた意見交換会。銀座に関するさまざまな意見や情報が飛び交い、それはこの街を大切に思う人たちの熱い気持ちがこもった、とても有意義な時間でした。 |
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銀座という街を守る眼差し |
放置自転車やゴミの問題は、防犯という観点から見ても重要なテーマです。銀座という街そのものや、そこに住む人たち、あるいは訪れる人たちを支える地道な防犯活動が目立つことはありません。けれども途切れることなく、確かに温かい眼差しが注がれ続けています。 |
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普段の活動の様子(画像提供:銀座通連合会) |
パトロール開始時の集会 |
置き看板を指導している状況 |
放置自転車対策のパトロール時の状況 |
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