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 千代田区 御茶ノ水駅周辺地区生活環境美化・浄化推進連絡会

地域 東京都千代田区

 千代田区に所在する御茶ノ水(おちゃのみず)。この「御茶ノ水」という名称は誰もが知っている駅名でありエリア名ですが、実は千代田区に御茶ノ水という町名はありません。JR御茶ノ水駅があるのは千代田区神田駿河台二丁目であり、東京メトロ御茶ノ水駅があるのは文京区湯島一丁目なのです。
 さて、今回ご紹介する団体は、「御茶ノ水駅周辺地区生活環境美化・浄化推進連絡会」といい、この「御茶ノ水」の町を、文字どおり綺麗にすることで“安全で快適な街づくり”を目指しています。令和6年2月9日、数日前に降った雪が少し残った御茶ノ水での彼らの活動にお邪魔しました。
写真:御茶ノ水駅周辺地区生活環境美化・浄化推進連絡会のみなさん
 パトロール開始時刻の午後1時30分が近づくと、この活動をサポートしている千代田区役所の担当者が「軍手、トング、ゴミ袋」の“3点セット”を集合場所に準備しはじめます。驚くのはその数で、担当者によれば「今日は100セットを用意していますが、雪の影響か今日は参加人数が少なめで60人ほどと聞いています。」とのこと。参加60人でも「少なめ」というところが、活動のスケールの大きさを表しています。
 では、なぜそんなに多く方が活動に参加するようになったのでしょうか。その理由の一つは、こちらの連絡会は平成14年に千代田区が制定した「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例(生活環境条例)」と同時に誕生した団体で、行政がきっかけを作り、地域住民がそれに対応したという側面があるからです。この条例は区内全域の路上喫煙を禁止し、全国で初めて喫煙に罰則を設けたことから、報道などでも大きく取り上げられました。
「当時はタバコの吸い殻をはじめとするゴミがあちこちに目立っていて、この歴史ある街の景観を著しく損なっていました。そこで区が条例を制定してくれたのですが、私たち地域住民も行政任せにするのではなく、自分たちでもパトロール活動などを始めることにしたわけです」
 そう話すのは、連絡会の会長を務める井田洋二さん。
「御茶ノ水にはいくつもの大学や大学病院があり、多くの企業もあります。そうしたこともあり、ここで学ぶ人、働く人が多く集まる街なのですが、そういった学生さんたちや企業の人たち、あるいは関係機関の人たちも活動に賛同し、徐々に一緒に活動するようになり、気が付くとこのような大所帯となったのです」
 千代田区には、こちらと同様の連絡会が全部で10団体あるそうです。どの団体も熱心に活動を続けていますが、老若男女様々な立場の人が一致団結している点について、「地域住民と昼間住民がこれだけ協力しあっている地区は、他にないと自負しています。参加人数も、うちが一番多いはずですよ」と、井田さんも頬をゆるめます。
写真:井田洋二さん
井田洋二さん
「今日はよく晴れて、パトロール日和となりました。では、交通事故などに気をつけて、それぞれ活動よろしくお願いします」との井田さんによる挨拶を皮切りに、2~3人ずつのグループに分かれたメンバーは四方八方に向かいます。グループごとに街中でゴミを拾い、区の担当者が準備したゴミ箱に分別して捨てたら自由解散というのが毎回の流れです。
写真:活動するメンバーの服装もさまざま1
写真:活動するメンバーの服装もさまざま2
写真:活動するメンバーの服装もさまざま3
写真:活動するメンバーの服装もさまざま4
活動するメンバーの服装もさまざま
「この美化パトロールは毎月2回だけですが、それでも長年やっているうちにゴミも少なくなり、本当に綺麗になりました。でも雨の翌日などは壊れたビニール傘が散乱するなどしているので、まだまだ継続が必要です」と話す井田さんは、生まれも育ちもここ御茶ノ水。この連絡会だけでなく、駿河台東部町会の会長も兼務されているという“地元っ子”です。
 ご高齢ですが今も平日は仕事をされており、こうしたボランティア活動にも積極的。「忙しくて大変なのではありませんか?」とお聞きしたところ、「いえいえ。週末は趣味の時間に充ててリフレッシュできますし、毎日が楽しいですよ」と元気な返事をくれました。
 そんな井田さんの地元愛は非常に強く、お話も尽きません。
「御茶ノ水には大学や大学病院が多いだけでなく、たとえば山の上ホテルなどもある文化ゾーンなんです。そういった面も、御茶ノ水の魅力です」
 残念ながら山の上ホテルは令和6年2月に休館となりましたが、川端康成や三島由紀夫らをはじめ、多くの作家たちに愛された名ホテルでした。そして御茶ノ水は国内有数の楽器店街でもあり、少し離れた神保町は古書店のメッカです。
 住む人、働く人、学ぶ人、訪れる人――。同じ「御茶ノ水」という街に関わる人たちが同じ意識をもち、パトロール活動に参加して街を綺麗にする。こうした活動は、防犯面においても効果を発揮しており、 “安全で快適な街づくり”に大きく貢献しているのです。
写真:集めたゴミをひとつに
集めたゴミをひとつに

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