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 墨田区 二葉おやじの会

地域 東京都墨田区

 両国といえば国技館、その隣には江戸東京博物館があり、東京という街の歴史や文化を象徴するようなエリアです。そのようなこともあり、コンクリートとアスファルトで近代化された現在にあっても、どこか古風な下町情緒を感じられるような街。今回は、そんな両国にある墨田区立二葉小学校を中心に活動している「二葉おやじの会」を訪問してみました。 写真:二葉おやじの会のみなさん
すべては、子供たちの笑顔のために
 この日のパトロールの集合場所は、学校の正門前。東西南北どちらの方向にも見通しのいい十字路に、「二葉おやじの会」のユニフォームであるTシャツを身につけた男性が次々と集まってきます。とても目立つ蛍光オレンジ色が、100メートル以上離れていても、すぐに「おやじの会の人だ!」と識別できます。
「近くにいると眩しいから、それを着て大勢で集まらないでくれと言われちゃうんですよね」と笑うのは、「二葉おやじの会」で名誉会長を務める松本光史さん。「確かに派手でなんですが、街を歩いていて目立つことと、子供たちに覚えてもらいやすいことの二点でこの色を選びました。現在では、この色にしてよかったと思っています」と話します。
 グループの結成は、平成13年(2001年)。この年の6月に大阪で起きた池田小学校での事件を受け、地域で何かできることはないだろうかと考えたことがきっかけだそうです。以来、22年間に渡り途切れることなく活動は続き、現在では40名以上に増えたメンバーが子供たちを見守ります。その合言葉は、「すべては子供たちの笑顔のために」。
 おやじの会の主な活動内容は、運動会の支援、土曜登校日の通学見守り、イベント開催、夏休みパトロールなど、多岐にわたります。
 二葉小学校の創立は、明治38年(1905年)。「この地域に長く住んでいる人は、みんなここの卒業生ですよ」と松本さん。その優しいまなざしで、現在の子供たちを温かく見つめています。
写真:背中の力強いロゴ
背中の力強いロゴ
 このおやじの会は、二葉小学校に付帯した団体ではなく、「二葉小学校に関連する活動を中心に行う、独立した団体」という立場を取っています。つまり学校のPTAなどとは異なる、あくまで「地域のボランティア団体」というスタイルです。メンバーの大半は、自分の子供が二葉小学校に入学したことをきっかけに「おやじの会」へ入会しますが、子供が卒業した後もボランティア活動を継続する方が多いそうです。
「自分の子供が在籍している間は何らかの役員をやって、卒業したら役職を外れます。私も、子供が卒業したら“平社員”に戻って活動を続けるつもりです」と笑うのは、副会長の小柴信太郎さん。
 子供たちの安全確保という共通の目的のもとPTAなどの保護者や教職員、あるいは地域との連携と親睦を深め、街全体で子供達を見守ってくれる気運を醸成したいと考えながら活動を続けているのです。
写真:松本さん(左)と小柴さん
松本さん(左)と小柴さん
 そんな「おやじの会」の活動を実際に見てみようとお邪魔したのは、「夏休みパトロール」。
 夏休み中に元気に遊んでいる子供たちへの見守り活動と注意喚起です。
 エリア内の児童公園を5ヵ所、1時間以上をかけて順に回って子供たちの様子を見守ります。
「学校の決まりとして、夕方5時半には家に帰ることになっています。そこで私たちは5時過ぎに公園を回って、まだ遊んでいる子供たちに帰宅を促しています。」と小柴さん。
 この日は夏休みも終わりに近づいた、日差しがやや落ち着いた日で、その涼しさと過ごしやすさもあってか、どの公園にも大勢の子供たちが元気に遊んでいました。そんな子供たちに、「そろそろ帰る時間だよ」「気をつけて帰りなよ」と声をかけます。真っ黒に日焼けした子供たちは、「分かった。もう帰る!」と元気に答えます。オレンジのTシャツは、子供たちにもすっかり浸透しており、子供たちも笑顔で言葉を交わしています。
写真:公園で遊んでいる子供たちと
公園で遊んでいる子供たちと
 松本さんが、活動についてこんなエピソードを話してくれました。
「春、新入学の1年生の中には、学校付近の地理が充分に把握できていない子がいますし、何かに気を取られて予想外の方向に行く子供もいます。例えば、学校の西側に帰るはずの子が、東側の道を歩いることもあります。そんな子を見つけたときには声をかけて、家まで送ってあげます。もちろん、親御さんも安心してくれますよ。」
 すべての子供の顔を覚えている訳ではありませんが、子供たちが被っている通学帽子に付けているリボンを見ると、そのリボンの色で児童の住所地区が識別できるそうです。そして、「見守り活動も長くやっていると「この子迷っているのかなぁ?」「何か困っているのかなぁ?」と子供たちのちょっとした表情や変化も気がつけるようになりました。」また、小柴さんは、「私たちが歩いていると、住民の方がお疲れさまと声をかけてくれることがあります。そんなときには、(ボランティア活動を)やっていて良かったなと思います」と話してくれました。取材した日のパトロール中にも「いつもご苦労様」とすれ違った住民の方が声を掛けてくれます。
 このオレンジのTシャツは、子供達ばかりでなく、街の方にも浸透しているようです。
 両国の「おやじ」たちは、街そのものや子供たちを力強く見守る、優しさにあふれた「おやじ」なのでした。
写真:住民の方も気軽に声を掛けてくれます。
住民の方も気軽に声を掛けてくれます。

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