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 2021 わんわんパトロール隊 八王子

地域 東京都八王子市

 JR中央線で新宿から西に向かうと、立川まで約24kmもの直線が続きます。その間、左右どちらの車窓を見ても“関東平野の広さ”を感じることができますが、立川を過ぎ八王子に至るあたりからは緑が深くなり、やがて高尾山や奥多摩へと続く山々が姿を現します。  今回ご紹介するのは、そんな自然豊かな八王子市のほぼ中央にある「元八王子町」で活動する「ワンワンパトロール隊」です。 写真:2021 わんわんパトロール隊 八王子のみなさん
地域を限定しないワンワンパトロール
 このパトロール隊で中心的な役割を果たす野中顯嘉さんたちが居住する、霞が丘住宅団地は、今から約50年前に丘陵地を切り開いて造られた住宅地で、JR高尾駅にほど近く、220戸の住宅が整然と並んでいます。
 住民の皆さんは、自治体活動にも熱心で、かねてから、防犯パトロールなども継続的、積極的に行われてきました。しかし、そうした活動が始まってから50年が経過した今、住民の高齢化が進み、中には転居したり、亡くなられたりした方も多く、防犯パトロールの担い手が減ってしまい、なかなか新たなメンバーも見つかりませんでした。「女性の方々に加わってもらうなどして対応していますが、将来のことを考えると心配でした」と語る野中さんは、そこで、仲間達と共に自分たちで出来る防犯活動について、色々考えました。
 そうした中、「手軽にできる」「負担にならない活動」を模索していたところ、犬を散歩しながら防犯パトロールも実施する「ワンワンパトロール」の存在を知ったのです。
 野中さんは、「この付近は犬を飼っている家が多く、自分の家の前を散歩のコースにしている人も少なくありません。そういう人たち一人ひとりに声をかけて、参加を募りました」と、パトロール隊結成当時の苦労を振り返ります。
 活動を始めた後に、ワンワンパトロールに賛同した方がバンダナなどを作ってくださり、そのグッズを身に着けているメンバーやワンちゃんを目にした人が「ワンワンパトロールとは何ですか?」と声をかけてくるようになりました。その一人が、歯科医であり保護犬活動にも従事している野下由希子さんでした。彼女たちから、さらに愛犬家の患者さんたちへと活動の輪が広がり……と、メンバーは順調に増えていきました。結成した令和3年7月当時は9世帯11匹のメンバーでしたが、1年半後の現在では、50世帯62匹の方が活動に参加してくれています。
写真:自慢のバンダナ
自慢のバンダナ
 活動は、全てワンちゃんファースト。曜日や時間などの決まりごとは一切なく、「できるときに、できる範囲で、できる人が行う」というのがモットー。これには、「個人の負担を減らして、なるべく長続きできるように」との思いが込められています。
 朝の時間帯には、小学生の登校見守りをする人たちと一緒になることがあります。子供たちが通学に利用する高尾街道の交通量は大変多く、特にひっきりなしにトラックが通行します。このため、幅4~5メートル程度の広い歩道が設けられ、ガードレールが設置されており、子供たちの安全は一応守られているのですが、この歩道にも自転車が走行するなど、子供に対する危険は完全には払拭できていませんでした。
 そこで、この状況を何とかしたいと思い、見守り活動を行っている野中さん達は、市や警察に対し、活動中に感じた不安を伝えて交渉を行いました。その結果、この歩道にあった植込みの一部を改装して、待避スペースを設けてもらう対策を講じてもらうことができました。今では子供たちもみんな、そこで信号待ちをしてくれるようになり、彼らの安全が一層確保されることとなりました。
 「犬を散歩しながら防犯活動を!」「子供たちを見守りましょう!」と始まった小さな活動が、「子供たちの安全」確保を実現し、「街の安心」に大いに寄与することとなったのです。
写真:行政と協力して スペースを確保
写真:待避スペースでの子供たち
待避スペースでの子供たち
写真:信号も安全に渡れます
信号も安全に渡れます
 ワンワンパトロールのグループを作ろう?(立ち上げよう?)と決めたとき、野中さんには、思うことがありました。
 こうしたボランティア団体は、〇〇自治会、〇〇町の何丁目等と、エリア単位で作られることも多いのですが、それだと人や地域が限定され、大きな広がりになりにくいことも懸念されます。
 「だから、私たちのグループは、あえて地区や自治会の名前を入れずに発足したときの年号だけ入れるようにして、『2021わんわんパトロール隊』としました。」と野中さん。
 また、野中さんの名刺には「事務局」と記されており、「隊長」や「事務局長」の肩書がありません。この点について質問すると、「あくまでメンバーの皆さんが中心のグループですし、事務的なことは家内に頼りっきりなので・・」と笑いながら返してくれました。
 活動の目標は大きく、「この活動が、八王子付近だけではなく、八王子市全域に浸透してくれれば嬉しいです。」とのこと。
「2021 わんわんパトロール隊」は新たな目標に向かって、1歩1歩、着実に歩みを進めています。

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