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 四谷母の会

地域 東京都新宿区

 山手線が描く円のほぼ中心、ということは23区の中心。そんな場所にありながら、住む人がみな「静かで過ごしやすい」という街・四谷。そこには、街と人を温かく見守る防犯ボランティアの皆さんがいます。ある日の活動に同行してみました。 写真:四谷母の会
警察署や防犯協会と連携

 新宿区四谷はかつては、「四谷区」として明治時代の旧東京府15区のうちのひとつでした(昭和22年に新宿区に統合)。
 新宿総鎮守・街の守り神として祀られている花園神社をはじめ、アニメ『君の名は。』の聖地である須賀神社等多くの寺社があるほか、神宮外苑や新宿御苑等、人々に憩いと安らぎを与える緑多い地域。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアムである国立競技場を有する、歴史と文化、自然とスポーツが融合する街です。
 今回ご紹介する防犯ボランティア団体は、そんな四谷で活動する「四谷母の会」。ややレトロな印象を受ける団体名ですが、それもそのはず。もともとの母体が、戦後の混乱期である昭和24年、「ひとの子もわが子も同じ愛の手で」をスローガンに発足した「東京母の会」なのだそうです。
写真:母の会の黄色いたすきが目立ちます
母の会の黄色いたすきが目立ちます
 そこから分岐して、「四谷母の会」がスタートしたのが平成6年のこと。以来、地元の安全・安心を見守る防犯ボランティア団体として各種活動に尽力されてきました。この日の活動は、JR四ツ谷駅で行われた、四谷警察署地域安全キャンペーンへの協力です。
 四谷警察署と四谷防犯協会が主催し、そこに「四谷母の会」や四谷警備業連絡協議会の皆さんが加わって、かなりの大人数によるキャンペーン。駅構内のコンコースでチラシやグッズを配布するなどして、特殊詐欺に対する注意を呼びかけます。取材日(10月13日)は、ちょうど10月11日から20日まで実施されている全国地域安全運動の真っ最中でもありました。
写真:みんなで手分けしてチラシを配布
みんなで手分けしてチラシを配布
写真:ピーポくんも出動しました
ピーポくんも出動しました
 四谷警察署生活安全課長の山本哲夫さんにお話を聞きました。
「この四谷という地区は、都内でも比較的事件・事故の少ない場所ではあります。ですが、どうしても減らないのが、特殊詐欺。昨今は、還付金詐欺と呼ばれる手口の犯行が増えてきました。そういった犯罪を未然に防ぐためにも、こうした啓発活動を行っています」
 ご存じのとおり、都内の刑法犯認知件数は顕著な右肩下がりの状況にあります。つまり犯罪の「総数」は減少しているのですが、お年寄りの大切な財産を狙った卑劣な犯罪は、なかなか根絶できないのが現状。ただ、シンプルでありながら確実な効果が見込める対策もあります。再び山本さんにお話を聞きます。
「新宿区が、自動通話録音機を無償で貸出してくれており、四谷署はその窓口になっています。これはその名のとおり、かかってきた電話を自動で録音するとともに、『通話を録音します』というメッセージを発してくれる機械です。これだけでも、絶対に証拠を残したくない犯罪者にとっては厄介な障害となりますので、犯罪抑止にはかなり有効な手段だと考えられるのです」
 この自動通話録音機は、自宅の固定電話に取りつけて使用します。取りつけは簡単ですが、職員が自宅を訪れて作業してくれるそうなので、機械が苦手という人でも安心。必要な方は、新宿区役所または四谷警察署にお問い合わせください。(他の地域にお住まいの方は、地元区市町村、警察署にお問い合わせください)
写真:四谷警察署 山本哲夫生活安全課長
四谷警察署 山本哲夫生活安全課長
温かい母親のまなざしが街を見守る
 この日、駅でのキャンペーンを終えた「母の会」のメンバーは、近くの公園に移動して子供見守り活動をする予定でした。しかし残念ながら天候が思わしくないため、青パトによる広報活動に切り替えました。防犯活動にはこういうフレキシブルさも大切です。
「普段の活動は、町内パトロールや見守り、そして青パトを使った広報活動など。それぞれ月に1~2回程度ですが、日時や活動内容を細かく決めて行うわけではなく、その都度都合のいい人が参加している感じです」
 そう説明してくれるのは、「四谷母の会」会長の田中幸枝さん。「今日のキャンペーンみたいに、頼まれたら基本的には何でも引き受けています」と笑います。メンバーが約100名もいる大所帯ですから、どんなことにもだいたい対応できてしまうのでしょう。
写真:青パトでのアナウンスも慣れたもの
青パトでのアナウンスも慣れたもの
 続けて、田中さんが教えてくれます。
「四谷は都心でありながら、昔から静かな街だったんです。若い子たちがどこかにたむろするようなこともありません。この環境を維持して、また、少しでもよくすることができたらいいなと思いながら活動しています」  副会長の増田サエ子さんは、「防犯活動だけではなく、交通安全に関わる活動等も行っているので、変化があって楽しいですよ。あるイベントで着ぐるみに入ったことがあるのですが、真夏の暑い日なのにそれを感じないくらい楽しい経験でした」と、こちらも笑顔で話してくれました。
 日々のボランティア活動については、田中さんも増田さんも「多くの人と関われるところがいい」と口をそろえます。ふたりとも四谷の生まれ育ちではなく、結婚を機にこの街に住みはじめたそうですが、地元を愛する気持ちは人一倍のようです。
「犯罪の芽は見えないもので、どこにあるかもわかりません。でも、私たちが活動することで、その芽を摘むことができたら幸いです。このところ、小さな子供が事件や事故に巻き込まれるニュースを耳にすることが増えました。そんな悲しいことをひとつでも減らせたらいい、と願っています」
 そう話す田中さんの目は、グループ名のとおり「母」そのもの。それは、いつでも温かくて優しい、母親のまなざしでした。
写真:田中幸枝さん(右)と増田サエ子さん国立競技場をバックに
田中幸枝さん(右)と増田サエ子さん
国立競技場をバックに


【取材日:令和4年10月13日】

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