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ワンダフルパトロール浜田山

地域 東京都杉並区

 浜田山は、京王井の頭線の小さな駅の周辺に広がる住宅地。いくつもの公園が緑をたたえる風景には個人宅が目立ち、集合住宅があっても3~4階建ての低層ばかりであるため、東京とは思えないほど空が広く感じられる街です。
 そんな街に新しいわんわんパトロール隊が誕生し、最初の一歩を踏み出しました。令和3年10月19日、7名と6匹のメンバーが参加し、所轄の高井戸警察署署員を迎えて開かれた「あおぞら防犯会」にお邪魔してきました。
写真:ワンダフルパトロール浜田山
「これしかない!」と直感した

 代表の近藤美幸さんは、隊を結成するまでの経緯を次のように話します。
 「私は令和2年度に区立浜田山小学校(児童数約850人の区内最大規模の児童数校)のPTA会長を務めました。例年不審者情報などの少ない傾向にある地域にも関わらず、ある時、校門の目の前の道路で同じ週に数回立て続けに不審者出没事案が発生しました。状況を把握するためにすぐに発生同時刻に現場周辺の通学路の様子を見に行きました。すると、行き交う方は殆どいらっしゃいませんでしたが、犬の散歩をしている方が結構いらっしゃる事に気付きました。」
 その“発見”があった直後、近藤さんはテレビ番組で紹介されていたわんわんパトロールの存在を知ります。
 「番組を見て、すぐに『これだ! これしかない!』と直感しました。犬を飼う人にとって散歩は毎日のことですし、そのついでに街を見守る目を増やし子供たちの安全安心や街の防犯に役立てるなら一石二鳥。個人の事情に合わせて最小限の負担で済みますし、これなら賛同してくれる方も多いのではないかと思って活動を始める決意をしました」
写真:近藤美幸さん
近藤美幸さん
コロナ禍にも負けません
 やると決めたら、すぐに行動に移しました。まずはメンバー募集のチラシを作成し、地域の方々に声掛けをし、放課後にはわが子と共に公園に出かけチラシ配布、近隣の動物病院やペットサロン、ペットホテルにもチラシを置いてもらいました。並行して、行政や警察に協力を求め、杉並区役所からは活動資金、高井戸警察署からはパトロール用ベストなどの提供を受けることができました。こうして課題を乗り越えつつ、すべてはトントン拍子に進んでいきましたが、予想外の障害が立ちはだかりました。コロナ禍です。
 「本当は令和2年度に結成式を開く予定でしたが、緊急事態宣言下の外出自粛の影響で先送りに次ぐ先送りの連続になってしまって、内心やきもきしていました。でも、メンバーは順調に集まってくれていましたし、いずれコロナが下火になるまでは耐えようと思って、我慢の日々でした(笑)結果、令和3年4月に漸く結成式を迎えることが出来ました」
 そして9月末日に緊急事態宣言も解除され、会発足後初めて今回のイベントを開催することが出来ました。今年一番の寒さに加え、厚い雲に覆われたあいにくの天気になってしまいましたが、この日の「あおぞら防犯会」には7名と6匹が参加しての船出となりました。前日からの雨で少しぬかるんだ公園を、ワンちゃんたちは元気に駆け回ります。
 「今日は平日の昼間なので少人数ですが、メンバーは小学生から80代までの50人以上が集まってくれて、とても心強く思っています」
 とはいえ近藤さんは、このような防犯パトロール団体の取り纏めは未経験。グループをどのように運営するかも「すべては手探り」とのことですが、「細かい活動の内容や方法については、メンバーさんたちと都度相談しながら無理なく少しずつ活動を拡げていけたら」と考えているそうです。「今度の合同活動は、お仕事をしている方も参加しやすいよう、土日に開催しようかな」早速、次の活動のアイディアもわいているようです。
写真:さっそく公園内をパトロール
さっそく公園内をパトロール
写真:バッグは都から配付されました
バッグは都から配付されました
静かな街の治安向上に
 所轄の高井戸警察署から参加していた林忠正・生活安全課長は、「このあたりは、都内でも特に犯罪件数の少ない、いわば静かな街です。住民の防犯意識が高く、パトロールなどの活動に参加している人も多い。この新しいわんわんパトロール隊の皆さんの貢献によって、浜田山の治安がさらに向上することを願っています」と期待を込めます。加えて、自身も愛犬家であるという林課長は講話のなかで、「飼い犬が逃げ出してしまったり、あるいは散歩中に誰かを咬んでしまったりといった事故のないよう、最大限の配慮もお願いします」と強調し、動物飼育に関する法律や条例の説明も行いました。
写真:林忠正生活安全課長
林忠正生活安全課長
写真:ワンちゃんたちも聞き入ります
ワンちゃんたちも聞き入ります
記念すべき第一歩を情報投稿マップに投稿
 近藤さんは当初、派手なベストを着て人前を歩くのはちょっと恥ずかしいと感じていたそうです。でも、「これを着て街角に立っているだけで防犯効果があると聞いて、そんな気持ちも消えました。小さな活動ですが細く長く続けて、少しでもこの街のためになればと思っています」と抱負を語ります。
 そして近藤さんはこの日の活動後、その場で当サイトの「防犯活動の情報投稿マップ」に活動結果の投稿をしてくれました。こうして、「ワンダフルパトロール浜田山」の活動はスタートし、その第一歩が活字として記録される1日となりました。
写真:スマホでも簡単に投稿できます
スマホでも簡単に投稿できます
写真:ワンちゃんたち
※マップへの誘導、必要なら入れる
「防犯活動の情報投稿マップ」はこちらから。ぜひご活用ください!
【取材日:令和3年10月19日】

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