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法人格 砧町(きぬたまち)自治会

地域 東京都世田谷区

 世田谷区砧(きぬた)は、東京を代表する閑静な住宅街のひとつ。最寄りの小田急線祖師ヶ谷大蔵駅周辺には大小の店舗が並ぶ商店街が広がりますが、少し歩けば多くの民家が連なっている地域です。ウルトラマンシリーズで知られる円谷プロダクションの社屋があったことにちなんで、街のそこここにはいくつものウルトラマン関連のモニュメントなども設置されています。そして、駅前商店街の名称はなんと、「ウルトラマン商店街」。
 令和3年7月19日(月)、そんな街で運営されている自治会の防犯パトロールに密着取材させていただきました。
写真:「法人格 砧町(きぬたまち)自治会
まずは夜間パトロールから

 砧町自治会の設立は昭和39年と、60年近い歴史を誇ります。昭和39年といえば、ちょうど前回の東京オリンピックが開催された年、再び東京オリンピックが開催された本年に取材にお伺いしたのも何かの縁。
写真:自治会事務所の入り口には立派な看板が掲げられています
自治会事務所の入り口には立派な看板が掲げられています
 自治会が設立した当時の世田谷はまだ田畑の多い田園地域だったそうですが、そうした土地が少しずつ宅地化していって現在に至ります。
 砧町自治会がパトロール活動を始めたのは、平成16年のこと。このあたりは治安がよく、「事件や事故の話は、ほとんど聞いたことがありません」と会長の鈴木清美さんが話すほど平和な街なのですが、その平和を維持し、更に安全安心な街にしたい・・・。そこで防犯と防災を兼ね、まずは夜間のパトロールを始めることになりました。
 準備されたのは、そろいのオレンジ色の帽子とウェア、更に防犯灯、そして拍子木でした。
写真:皆さんおそろいのオレンジ色の帽子やウェアを着用
皆さんおそろいのオレンジ色の帽子やウェアを着用
写真:Tシャツ
写真:使いこまれた拍子木
使いこまれた拍子木
 「経緯ははっきりと覚えてはいませんが、パトロール開始当初から拍子木を使っていました。拍子木を鳴らしながらパトロールすることで、周りの方にパトロールしていることを知らせて安心してもらう効果があります。でも、いい音が出るように打つのがなかなか難しくて、苦労しましたよ」と、前会長で相談役の河野英樹さんが笑いながら教えてくれます。
写真:鈴木さん(左)と河野さん
鈴木さん(左)と河野さん
暗い道を選んで歩く
 世田谷区には、狭い道路が入り組んだ場所が多々あります。当然、車両の通行も難しく、道路には一方通行の標識が多い。砧もその例に漏れず、「駅の近辺や表通りに面した場所はいいのですが、住宅街には狭いだけでなく夜間暗い道がたくさんあるんです。パトロールでは、特にそういう場所を選んで歩くようにしています」と鈴木さん。
 そうして始まった夜間パトロールは、現在も月に2回ずつ行われています。その日に集まった人数によって1~3班に編成し、砧1丁目から8丁目を隅々まで歩きます。
 最初の頃は、ものものしい出で立ちと拍子木の音で、すれ違う人を驚かせてしまうこともあったそうですが、それでも継続することで、住民たちの認知度も上がり、「こんばんは」や「おかえりなさい」と、こちらから声をかけるより先に、「ご苦労様」などと挨拶してくれる人が増えていったそうです。
写真:拍子木を鳴らすことで住民にパトロールしていることを知らせます
拍子木を鳴らすことで住民にパトロールしていることを知らせます
写真:暗い公園もしっかりパトロール
暗い公園もしっかりパトロール
「3つの自慢」は「NHK」
 平成17年からは、地元小学校の下校時の見守りを開始しましたが、この活動については不本意ながら1年足らずで中断となってしまったそうです。しかし、地域の宝でもある子供たちを見守ろうという機運が徐々に盛り上がり、平成20年に下校時の見守り活動を再開、更に平成22年には、登校時の見守りもするようになりました。
 学校の朝礼で子供たちに砧町自治会の見守り活動を紹介してもらうこともあり、顔見知りになった子供たちの成長を見守ることができることも、楽しみのひとつだといいます。
 小学生の登下校を見守る「朝パト」と「昼パト」、それに当初から続けられている「夜パト」。これらが、砧町自治会の「3大パトロール」です。
 それと並行して、「3つの自慢」もあります。頭文字を取って「NHK」というそれがどんなものかといえば……

N 長く地道に続ける
H 人と人とのつながりを大切にする
K 絆を深める 行事・イベントを実行する

 ここには、この街で生まれ育った人たちと、後から移住してきた人たちが手を取り合って、みんなが砧という街を故郷だと思って暮らせるように――との願いが込められています。
 それを実現するため、砧町自治会の防犯活動もさまざま。自転車用防犯ステッカーの作製、行政等の支援を受けた見守りバッジなどの配付、公園の掃除や花壇の手入れ、防犯カメラの設置等々と多岐にわたります。
 各取組の詳細は自治会のHPをご覧ください。
 http://www.houzinnkakukinuta.com/koutuu3.html
写真:自治会が独自に作製した自転車防犯ステッカー(砧町自治会HPから転載)
自治会が独自に作製した自転車防犯ステッカー
(砧町自治会HPから転載)
写真:自治会で設置した防犯カメラが街を見守ります(砧町自治会HPから転載)
自治会で設置した防犯カメラが街を見守ります
(砧町自治会HPから転載)
 その中でも特徴的な活動が毎年クリスマスの季節に行われているイルミネーションパトロール。子供たちと一緒に地域内でイルミネーションが綺麗なお宅を周りながらパトロールを行うそうで、パトロールの途中には、日頃から交流のあるグループホーム2ヶ所でサンタさんからプレゼントがもらえるそうです。話を聞くだけでも楽しそうで、ワクワクしてきます。子供たちも楽しみながら防犯パトロールに参加できるのも素敵な取組です。
写真:クリスマスの季節に行われるイルミネーションパトロールの様子(砧町自治会HPから転載)
クリスマスの季節に行われるイルミネーションパトロールの様子
(砧町自治会HPから転載)
 そうした活動の今後の展望について、鈴木さんがこう教えてくれます。
 「地域の全世帯のうち、自治会に加入しているのは2割ほど。今後はそれを少しずつ増やしていきたいと思っています。そうすれば、会員に向けての情報発信も密になり、活動全体の底上げもできると思うので」
 多くのボランティア団体が抱える課題に「メンバーの高齢化」がありますが、若い人も多いこちらの自治会には、その心配は少ないそう。でも鈴木さんは、「ちょっと男性のメンバーが少ないので、もう少しいてくれれば……」と、男性陣に目をやりながら笑います。そんな光景にそれだけで、こちらの皆さんの仲のよさが伝わってきます。
「自治会の皆さんは本当に熱心で積極的な方ばかりで、いろんなアイデアを次々と出してくれます。そういう方たちと、この街の安心をつくり、子供たちの安全を守っていく。それが続いていけば、言うことはありません」と鈴木さん。
 口で言うのは簡単ですが、継続していくには地道な努力が欠かせません。でも砧町自治会には、それを実行できるメンバーと固い絆で結ばれたチームワークがありました。
写真:時短営業している店舗もあるので、駅前の商店街も入念にパトロール
時短営業している店舗もあるので、駅前の商店街も入念にパトロール
写真:パトロールを終えてひと息
パトロールを終えてひと息
【取材日:令和3年7月19日】

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