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NPO法人文京動物愛護協会(文京ワンワンパトロール隊)

 


地域 東京都文京区

 愛犬を連れて散歩しながら行う防犯パトロール、いわゆるワンワンパトロールに取り組んでくださる人やグループが増えてきて、ワンワンパトロールも防犯パトロール活動の一つとして浸透して参りました。今回お話をお伺いさせていただいた団体は、その元祖ともいえる存在です。令和2年9月、小雨の降る中で行われた文京動物愛護協会のウンチクリーン作戦(環境美化活動)に同行させていただきました。 写真:NPO法人文京動物愛護協会の皆さん ※ NPO法人文京動物愛護協会の皆さん
 「モモちゃん、お久しぶり!」、「元気ちゃん、今日もいい子だね!」
 集合場所での挨拶が、人だけではなくワンちゃんたちにも向けられているのが、この団体らしさでしょうか。この日は、雨にもかかわらず15人のメンバーと6匹のわんちゃんが集まりました。
 集合場所は文京区、茗荷谷駅近くの「播磨坂さくら並木」。
 幅がある広い道路の中央2車線分が花壇のある遊歩道として整備され、およそ500メートルの間に120本もの桜も植えられています。春に行われる「文京さくらまつり」には、例年9万人もの人出があるそうです。
 この「文京さくらまつり」にも毎年「NPO法人文京動物愛護協会文京ワンワンパトロール隊」として中央集会及びパレードを行い、動物愛護や人と動物との共生、マナーの向上を目指し、文京区内4警察署の方々と共に安全安心な街づくりの呼びかけを行います。
写真:平成31年度さくらまつりでのワンワンパレードの様子
平成31年度さくらまつりでのワンワンパレードの様子

 

 今回、取材をさせていただいたウンチクリーン作戦は、文京区内の犬の排泄物放置をゼロにするため、平成30年3月から行われている活動です。月に1回播磨坂さくら並木において環境美化活動を行うことで、「排泄物放置はマナー違反」であることを地域の飼い主さんに啓蒙し、動物たちと安心して一緒に暮らせるきれいな街づくりに貢献しています。
写真:わんちゃんを連れて環境美化の活動中
わんちゃんを連れて環境美化の活動中
写真:わんちゃんもにおいを頼りに活動中
わんちゃんもにおいを頼りに活動中
写真:活動しているメンバーのベストにはそれぞれメッセージが

活動しているメンバーのベストにはそれぞれメッセージが

 

 今回取材させていただいた文京動物愛護協会が発足したのは昭和41年、今年で創立54年という長い歴史を誇ります。
 発足当時は高度成長期。豊かになった日本では犬を飼う家庭が増え、犬種ではスピッツやコリーが大人気でした。しかし同時に、野犬の多さが社会問題となってしまい、その根底には飼い主の意識不足もありました。そこで、獣医師会の小暮規夫先生らを中心に愛犬家が参加して結成されたのが『小石川愛犬家協会』であり、平成5年に協会名を「文京動物愛護協会」に改名し、平成20年にはNPO法人化され現在の組織名となりました。現在も獣医師の先生方が理事、獣医師会員として会を支えているということです。
 その活動内容は、実に多岐にわたります。動物愛護週間には文京保健所と共催写真展を通し飼い主に対する啓蒙活動、動物救急医療の講習会、老犬介護の講習会、高齢者施設などを訪問するドッグセラピー、小学校の校庭を借りての犬の運動会や同行避難訓練……などなど。
 そして、その主な活動のひとつにワンワンパトロール隊があります。
 平成15年、当時の文京動物愛護協会の会長を務めていた藤位会長が、「せっかく犬を連れて外を散歩するのだから、そのついでにパトロールをしよう」と思い立ち、文京区内の4警察署(富坂・大塚・本富士・駒込)の生活安全課及び防犯協会のもと文京ワンワンパトロール隊が発足しました。それからは毎年、さくらまつりには「文京ワンワンパトロール隊中央集会&ワンワンパレード」を実施しているとのこと。
富坂警察署との合同で行った防犯活動の様子
富坂警察署との合同で行った防犯活動の様子

 

 文京ワンワンパトロール隊としての活動は、警察署との合同パトロールや防犯イベントへの参加のほか、飼い主一人一人が犬の散歩をする際に「ながら見守り」を行います。
 その際、飼い主はお揃いの黄色いお散歩バッグを持ち、防犯の腕章を身に付け、わんちゃんはお揃いの黄色いバンダナを身に付けることで、周りにパトロールを行っていることをアピールし、街頭犯罪抑止に一役買っています。
パトロール時に携行等するお散歩バッグとバンダナ
パトロール時に携行等するお散歩バッグとバンダナ
東京都都民安全推進本部で作成した手提げバッグも活用してくれていました
東京都都民安全推進本部で作成した手提げバッグも活用してくれていました

 

 文京動物愛護協会理事長の江頭さんによれば、メンバーの飼い犬には保護犬も数頭含まれているとのこと。
 「元は、放棄されたり放浪していた犬たちです。里親探しのボランティア団体などに保護された犬の里親になり、新しい家族の一員となったワンちゃんと当会の活動にも参加してくれています。」
 この日は雨にも関わらず、6匹のワンちゃんが参加してくれていました。なんと、そのうち1匹ははるばるアメリカからやって来た保護犬なのだそうです。
 メンバーであり、獣医師でもある白石充代さんがこう教えてくれます。
 「飼い主さんは犬の散歩中は、犬が何か落ちているものを食べてしまったりしないように、犬の視線を追いますので、地面をよく見て歩きます。そうすると家の鍵や、自転車の鍵など落とし物をよく拾い、拾得物を警察署へ届けるケースがよくあります。そのような意味で、様々な防犯に役立つのではないかと思っています。」
 副理事長の中村悦子さんは、夜に散歩させているときに、民家の玄関に鍵束が刺さったままなのを見つけたこともあるそう、「犬を連れていると、知らない人とも会話しやすくなるんです。そうやって顔見知りが増えていくこともまた、防犯のひとつになりますね」と実体験を語って頂きました。
 「この活動を今後もずっと続けて、いろいろな形でもっと広めたいと思っています」と語る江頭理事長の目標は、「人と動物との共生」。
 目標達成に向けて、マナーの向上と正しいしつけを啓発し、ペットを飼っている人もそうでない人も笑顔で行き交える街になることで、もっと安全安心な街文京区を目指し、次世代へと繋げていくお話を聞くことができました。
一生懸命がんばったわんちゃんにはご褒美が
一生懸命がんばったわんちゃんにはご褒美が
【取材日:令和2年9月26日】

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