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駒沢町会

 


地域 東京都世田谷区

 東京都内で最も人口が多い世田谷区、その世田谷区内の駒沢地域周辺は、駒澤大学や日本体育大学などの学校施設が所在する地域であるとともに、広大な駒沢オリンピック公園があるスポーツのメッカでもあります。
 また、駒沢地域は約9,300世帯、17,000人弱の方が暮らしている住宅街でもあります。令和2年9月、そんな駒沢地域で子供達の見守り活動を長く続けてくださっている駒沢町会の活動を取材させていただきました。
写真:調布の治安を守る新撰組のみなさん ※ 撮影のため一時的にマスクを外して撮影
 「いつからなのか、ずいぶん前からとしかわかりません。私が町会の活動に関わるようになった10年前にはもうやっていましたから。」
 この見守り活動がいつ始まったのかとの質問に、そう答えるのは駒沢町会会長の小林晴一さん。駒沢町会の子供見守り活動は、長い間続けられてきた歴史のある活動です。
 小林会長は、定年まで商社に務め、退職後には世田谷区役所の嘱託職員として約10年間働き、その後、「地元の役に立てることを」と町会の会長に就任し、毎日の子供見守り活動を行っています。「毎朝これをやっていると生活にリズムができるし、運動にもなるので、健康にいいんですよ。そして、何より子供たちが元気に登校する姿を見られることが楽しみなんです。」と話してくれました。
写真:駒沢町会 会長 小林 晴一さん
駒沢町会 会長 小林 晴一さん

 

 駒沢町会の方々が見守っているのは、世田谷区立深沢小学校に通う子供たち。深沢小学校には、令和2年4月現在、約670名もの児童が在籍しています。駒沢町会の皆さんは、子供達が通う通学路の中で、車通りが多く、道幅が狭いところや見通しが悪いところを「危険ポイント」として、計6ヵ所で見守り活動を行っています。より多くの見守りの目が必要となる五差路や信号機のある横断歩道は、2人で担当しています。さらに、通学で多くの児童が利用するにもかかわらず、車通りが多く危険な路地については、警察に相談して、朝の登校時間帯は車両通行止めにしてもらいました。
写真:駒沢町会からの要望により車両進入禁止となった路地
駒沢町会からの要望により車両進入禁止となった路地

 

 「月水金と火木土の2班に担当を分け、毎朝およそ10名が見守りに立ちます。どこかに集合して点呼をするようなことはせず、各自が決められた時刻に持ち場に行って、子供たちが登校し終わるとその場で解散する決まりです。下校の見守りは特に割り振りはしていません。都合のつく人がそれぞれ見守りに立つというスタイルでやってもらっています。」と小林会長は説明してくれます。
 下校時間を周知するため、見守り活動をするメンバーには学校の時間割が配布されています。そのことで、コロナ禍で二転三転した登校日への対応もうまくいったそうです。学校と見守りをする方たちとの連携がしっかりできているのも、見守り活動をする上では大事なポイント。
交通量の多い横断歩道ではドライバーに向けたメッセージ付きのボードを持って見守り
交通量の多い横断歩道ではドライバーに向けたメッセージ付きのボードを持って見守り

 

 「このところの夏は異常に暑いですから、朝でも気温30℃を超えるような日にはバテてますよ。」と笑う小林さんは、雨の日も雪の日も毎朝の見守りを欠かしません。そして、雨の日は特に要注意なのだとも教えてくれます。
 「まずは、晴れの日に比べて車の通行量が増えること。これは通勤・通学する人を駅まで送っていく人が多いからです。もうひとつは、子供たちが傘をさすことで視界が遮られ、車への注意も不足しがちになること。雨の日は、その二点に注意するようにしています。」
 と話していると遠くからサイレンが聞こえ、やがて救急車がやってきました。
 「はい脇に寄って! 救急車を通してあげて!」
 すかさず声を上げたのは、見守り活動を行っている駒沢町会のメンバー。駒沢町会の方がしっかりと子供たちを誘導してくれたことで、救急車はスムーズに路地を走行していきました。こんなときにも、町会の地道な活躍が光ります。
黄色い旗を手に子供たちを安全に誘導
黄色い旗を手に子供たちを安全に誘導

 

 「おはようございます!」「行ってらっしゃい!」
 登校のピーク時になると、ひっきりなしに挨拶の声が響きます。子供たちの多くは数人ひと組で歩くので、どうしても道路の真ん中に広がってしまいがち。そんなときにも、見守り隊から注意喚起の声が飛びます。

 「じゃんけん、ぽーん!」
 ひとりの子供が駒沢町会の神保さんに駆け寄って、“じゃんけん勝負”を挑んでいます。
 「特に意味はないのですが、いつからか何人かの子と毎日じゃんけんするようになりました。可愛らしい挨拶みたいなものですね。」と神保さんは目を細めます。
 この見守り活動に参加した理由を聞いてみると、「離れて暮らしている私の孫も、登校するのに誰かのお世話になっているはず。そのぶん、私はこの子たちにお返しをしているつもりです。」とのこと。
 その他のポイントで見守り活動をしている町会のメンバーも、子供たちと「昨日僕誕生日だったんだ!!」「おめでとう、何歳になった?」と会話を交わしていました。
 子供達の成長にとって、見守りをしてくれている町会の方との交流も大切な経験の一つです。
神保さん(左)とじゃんけんで挨拶
神保さん(左)とじゃんけんで挨拶
メンバーとの交流も子供にとって大切な経験
メンバーとの交流も子供にとって大切な経験

 

 近隣での事件・事故の発生について、小林さんは「ほとんど聞いたことがない。」と言います。そして、この安全・安心を維持するためにも、こうした活動が大事になると考えているそうです。
 「これはあくまで登下校の見守り活動ですが、ベストを着て旗を持った人間が立っているだけで、地域の犯罪抑止につながるはずですから」と小林さん。
 「最初は私の腰ぐらいしかなかった1年生があっという間に大きくなって、6年後には肩ぐらいまでに背が伸びます。そんな成長をずっと見届けられるだけでも楽しいですし、やりがいもあります。今後も駒沢のため、微力ながら続けていこうと思っています。」と、頼もしく語ってくれました。
 深沢小学校の登校見守り活動には、駒沢町会の皆様だけでなく、保護者やPTAの皆さん、先生方、防犯ボランティアの方たちなど、たくさんの方が参加されていました。様々な立場の方が連携して子供たちの安全安心を見守ってくれている「チームワーク」も、この地域の見守り活動の大切なポイントの一つとなっています。
深沢わんわんパトロール隊のヒューゴ君も子供たちを見守ってくれていました
深沢わんわんパトロール隊のヒューゴ君も子供たちを見守ってくれていました
【取材日:令和2年9月17日】

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