東京都は、子供の犯罪被害防止能力の向上を目指し、平成17年度から犯罪機会論に基づく「地域安全マップづくり」の指導者育成に取り組んでいます。
都が推奨する地域安全マップづくりとは、子供自身が「安全な場所や危険な場所」を景色を見て判断できるようにするものであり、これまでの不審者マップや犯罪発生マップとは異なります。このため考案者の小宮教授(立正大学)から犯罪機会論に基づくマップづくりの意義や有効性などを学び、小学校等での取組を促すための研修会を開催しています。
研修会では、フィールドワークやマップ作製は行いません。校長先生や副校長先生、教育委員会の職員等に受講いただき、教員や児童館職員、スクールサポーターへ講習会参加を勧めていただいています。
今年度は7月28日、豊島区民センターで約100名の方を集めて開催しました!
講演内容

冒頭、東京・埼玉連続幼女誘拐事件(宮崎勤事件)など、子供が犯罪に巻き込まれた事例を紹介し、改めて「入りやすい」「見えにくい」場所は犯罪者が好む。そうした場所を景色で判断できるよう子供に指導することが重要との話をいただきました。
次に、犯罪機会論の考え方や海外での取組事例、マップづくりの全体概要について映像を交えながら説明されました。
人がたくさんいる場所は安全とは限らない。そうした場所は心理的に見えにくい場所なので注意が必要。犯罪者は子供がたくさん集まる場所を狙うなどの説明がありました。
アンケートでは、「よく理解できた・理解できた」との回答が9割と、大変好評でした!なかには、「現在、道路公園関係の部署で仕事をしているが、犯罪機会論を今後の仕事に活かしていきたい」という頼もしいご意見もありました。
地域安全マップづくりの主な目的は子供の犯罪被害防止能力の向上ですが、犯罪機会論に基づいてハード・ソフト両面から安全で安心なまちづくりを進めることも重要です。
研修会には区市町村の道路公園担当課の方も参加いただけます。もっと詳しく知りたいと思われる場合は、講習会を聴講することもできます。フィールドワークを通じて、習得した道路や公園のチェック方法を仕事に役立てていただければ幸いです。
次回は8月4日、調布市内での講習会の様子をお伝えします!