令和5年10月4日、小平市内のホールで「小平地域安全のつどい」が開催され、会場となったルネこだいら(小平市民文化会館)は満員の盛況となりました。イベントの一環として行われた小平駅前での街頭パレードには、警視庁音楽隊を先導に、地元出身で小平警察署の一日署長を務めた元WBC日本代表監督の栗山英樹さんが登場。多くの人が沿道に詰めかけて声援を送り、スマートフォンで撮影する姿も見られました。
この「つどい」は、全国地域安全運動(10月11日~20日)に先駆けて開催され、式典の冒頭にはつどいを主催した、小平防犯協会、小平警察署、小平市の代表者が挨拶に立ちました。
小平防犯協会の宮崎久嗣会長は、それぞれの立場で防犯活動に尽力している方々に謝辞を送った後で、「特殊詐欺に関しては、『お金の話が出たらそれは危ない』という点にご注意ください。加えて、これから年末にかけての時期は、空き巣、自転車盗、痴漢や万引きなど、さまざまな犯罪が増える傾向にあります。ご家族やお知り合い、または地域の皆様同士で注意しあうなど、安全な小平市のためにお力添えいただきたくようお願いします」などと話しました。
小平警察署の門脇勇署長は、管内における特殊詐欺事案の近況に触れ、「昨年、残念ながら市内での特殊詐欺は前年より増えました。今年は今のところ減少傾向にはありますが、“サポート詐欺”という新たな手口も出てきています。本日は、今年3月に行われたWBCで世界一となった栗山英樹さんを一日署長にお招きしていますが、この機会に市民の皆様も防犯意識を高めていただいて、“世界一安全で安心な街・小平”になれるよう、力を合わせていきましょう」などと、会場に向けて熱いメッセージを送りました。
続いて、小平市の小林洋子市長は、次のように話しました。
「ご来場の皆様には、ぜひとも特殊詐欺について学んでいただきたいと思います。いろいろとお話を聞いてみると、『自分だけは大丈夫』と思っておられる方が多いようです。今日はこの後、特殊詐欺の手口や対処方法をテーマにしたお芝居も用意されていますので、会場の皆様はその内容をぜひお友達に広めていただくなどして、防犯活動へのご協力をお願いしたいと思っています。また、小平市では65歳以上の方を対象に、自動通話録音機の貸し出しなども行っておりますので、そちらもご利用いただければと思います」
主催者のご挨拶ののちに、満を持して登壇した栗山英樹さんは、「僕が小平出身ってことは、誰も知らないはずなんですが……」などと来場者の笑いを誘いつつ、「今は北海道に住んでいますが、出身はここ小平です。大学(東京学芸大学)も小金井なので、僕はこの近辺で育ったようなものです」と地元愛を語りました。
小平警察署員と小平市の犯罪状況に関するクイズに挑戦。さすがは一日警察署長だけあって、難なくクリアすると、会場の皆さんに特殊詐欺の被害防止のポイントについて、「自分だけは大丈夫だとは絶対に思わない。知らない番号からの電話には出ない。お金の話の電話があったら誰かに相談する」などと熱く語ってくれました。
その後、舞台で行われたプロ劇団によるお芝居は、実際の犯行に使われた手口を元にしたもの。ユーモアを交えつつ、特殊詐欺のなかでも「還付金詐欺」「オレオレ詐欺」「キャッシュカード詐欺」などに騙されずに済む方法を、それぞれ分かりやすく演じてくれました。
やはり、特殊詐欺の被害にあわないためには「知らない番号からの電話には出ない」「家族や誰かに相談する」といったことが、どの手口にも共通して大事。先ほど、栗山英樹一日警察署長が話したことと同じポイントを会場の皆さんに伝えてくれました。
小平市の人口は約20万人。令和3年の特殊詐欺認知件数は67件に対し、令和4年には85件に増えています。これを少しでも減らすため、あるいはゼロにするために――。
最後には、場内全員で「小平市から犯罪をなくすぞ!」「おー!」と勝どきを上げて、お開きとなりました。
今後も、小平市は一丸となって防犯対策を進め、市民の安全の確保に全力を傾けてくれることを確認した「つどい」でした。
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