令和4年11月29日、都庁5階大会議場にて東京都生活文化スポーツ局生活安全担当局長賞の表彰式が行われました。
この表彰は、日頃から熱心な防犯ボランティア活動をしている皆さんの功績を称えるとともに、都民の皆さんの防犯ボランティア活動に対する関心を高め、さらに活動の輪を広げることなどを目的に、平成28年から実施しているものです。
今年度の受賞者は、43組の団体・個人および事業者。当日は25名が出席、代表者8名が登壇し、東京都生活文化スポーツ局の小西康弘生活安全担当局長から表彰状を受け取りました。
小西担当局長は、防犯ボランティア活動に従事している方だけでなく、その活動を支えたご家族や関係者すべての皆さんに感謝の意を表するとともに、次のようにスピーチしました。
「都内の刑法犯認知件数は、ピークだった平成14年に比べて4分の1にまで減少しました。その一方で、高齢者を狙った特殊詐欺や、女性や子供が被害者となる犯罪など、都民の皆様を不安に陥れる事件は依然として発生しており、誰もが安全・安心を実感できる状況には至っていないと感じております。都ではこうした状況を踏まえ、都民の皆様が犯罪被害にあわないようにするための各種取り組みを行っています。
世界に伍して成長を続ける都市の力も、生き生きと輝く人の力も、すべては安全・安心という基盤の上に発揮されるものです。地域防犯の第一線で活躍されている皆様と、より一層連携を深め、すべての人が生き生きと輝く東京を実現したいと考えております。どうか今後も、東京が安心して暮らせる街であり続けるために、ご理解とご協力をお願いいたします」
続いて、受賞者の代表として、都内有数の繫華街である池袋にある、声優やアイドルが所属する芸能事務所、LBS@MUSICグループ代表の加藤貴行さんが登壇しました。所属タレント同士や地域とのコミュニケーションを図る目的で近隣のゴミ拾いを始めたところ、商店街の理事長から「パトロールを兼ねたゴミ拾いにも参加しませんか?」と誘われたことがきっかけで、防犯活動をはじめたとのこと。
活動を重ねるうちに、街の人から「いつもありがとう」「この街は安全そうだから引っ越してきた」という感謝の言葉をもらったことで、防犯ボランティア活動の意義や大切さをひしひしと感じたそうです。
所属タレントや来訪者には若い女性が多いため、彼女たちが悪質なナンパ行為やスカウト行為のターゲットになってしまうこともしばしばあったかことから、所轄の警察署に協力を仰いで防犯バッジを作ってもらうなど、ユニークなアイディアで街の安全・安心を目指しています。
「自分の身や大切な人を守るには、ちょっとした知識と行動が必要。それがあれば被害を防げるはずです。LBS@MUSICグループは、手掛けているご当地アイドル、豊島区ぴーすUPガールを中心に、東京都から元気と平和をお届けいたします。」
若き防犯ボランティアの担い手からの頼もしい言葉に、会場は明るい雰囲気に包まれました。
東京都では、平成27年度より、事業者が日常業務をしながら子供や高齢者等を見守る「ながら見守り連携事業」に取り組んでいます。地域に密着した事業者の協力により、街の見守りの目を増やすことが目的です。
本年は、東京都と昨年度覚書を締結した、株式会社ダスキン、コカ·コーラ ボトラーズジャパン株式会社、サニクリーングループ4社(株式会社サニクリーン東京、デイベンロイリネンサプライ株式会社、株式会社トーヨー、エスケーユニフォーム株式会社)、株式会社白洋舍、の7社が受賞しました。
式終了後、クリーニング業界大手の株式会社白洋舍の代表取締役社長である松本彰さんにお話を伺いました。
「弊社は1906年(明治39年)に創業、今年で116周年となります。都内には63店舗のほか、各ご家庭を訪問してクリーニング品のお預かりとお届けを行なう外交員が運転する車両が181台稼働しています。それぞれ担当エリアが決まっているので、ドライバーたちは都内の住宅街を毎日隅々まで走っています。東京都のポータルサイトで都が“ながら見守り”活動をしているという記事を目にして、すぐに何かできることがあるだろうと考えました。弊社が通常の業務をしながら防犯のお役に立てるのなら、メリットしかありません。」
すでに白洋舍の店舗や車両には、“ながら見守り”の目印である防犯ステッカーを掲示して営業しているとのこと。「いざ」というときには大きな力になってくれることでしょう。
【取材日:令和4年11月29日】
このページの関連カテゴリー