平成30年12月11日、新宿区は牛込箪笥区民ホールにおいて「新宿区防犯リーダー実践塾」を開催しました。
第一部の講師はうさぎママのパトロール教室主宰・安全インストラクターの武田信彦さんです。
武田講師は、「子供が一人になる環境が増えている現代において、犯罪を起こさせにくい環境を作ること、「犯罪を止める力」が重要です。そのためにも地域を見守る防犯ボランティア活動が欠かせないどころか必要性を増しているのです。」と呼びかけました。
また、「犯罪を起こさせない雰囲気を作るためには、住民同士がいつも笑顔で挨拶をすることが効果的です。」と話します。
最後に武田講師は、狛江市が集めた子供達の防犯ボランティアに対するメッセージを読み上げ、「見守り活動は、子供達自身が「守られているんだ。」と心に感じるメッセージです。そしてメッセージを受け取った子供達は、成長すると防犯ボランティア活動に参加してくれます。そんな成長した子供達を見かけたら、周囲の大人たちは「頑張れ!」と応援の気持ちを伝えてあげて欲しいのです。」と熱い思いを語りました。
この日は、新宿調理師専門学校の学生防犯ボランティアが来場しており、武田講師が「若いボランティアたちに、拍手で応援の気持ちを伝えましょう。」と呼びかけると、会場からは大きな拍手が起きました。自分自身が学生防犯ボランティア出身である武田講師は、「自分も防犯ボランティア活動から色々なことを学びました。見守り活動は、地域の安全・安心に貢献するだけでなく、若者たちの心と活動の土壌も作っています。」という言葉で講義を締めくくりました。
続いて登壇されたのは、ランニングをしながらパトロールするという新しいスタイルの防犯活動を行う「パトランJAPAN」の渡部信隆さん。
「私達パトランJAPANが目指すのは、子供や女性、お年寄りが安心して暮らすことができる地域の実現です。赤いパトロールシャツを着て挨拶をしながらランニングすることで犯罪抑止につなげます。」と渡部さん。
今年、パトランJAPANは、新宿警察署に防犯ボランティア団体として登録し、新宿警察署との連携活動をスタートさせました。また、警視庁の若い世代のボランティア「ピーポーズ」も活動に参加するようになり、「年齢層の幅が広がり、より効果的な防犯活動が行えるようになりました。」と渡部さんは話します。
最後に、渡部さんは「2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会までに、国内はもちろん国外から来られる方々が、安心して歩ける東京を目指します。」と力強く宣言しました。
最後に登壇されたのは、全国万引犯罪防止機構で理事を務める菊間千乃さん。
菊間さんは、「万引きについて考える時、「高齢者」「外国人の集団窃盗」「再犯率」の3つのキーワードがあります。かつて万引きは少年に多かったのですが、現在は高齢者の方が多く、しかも再犯率も高いという現実があるのです。また外国人の集団万引きについては、「強盗団」とも言える現状があり、被害が深刻化している状況です。」と言います。
こうした現状に対して菊間さんは、万引きした商品の転売防止対策の強化や声かけ、従業員の責任所在を明確にするなどの方法が効果的であると対策を説明します。また、「万引きは店の外に出ないと犯罪にならない。」という誤った認識を持っている人も多いと言います。万引きは精算前の商品をポケットやバッグに入れた時点で、店内であっても「窃盗罪」となることを説明しました。
最後に菊間さんは「「万引きを地域から無くしたい。」という強い思いを持った人を中心に、区市町村でも色々な取り組みが始まっています。新宿区でも、強い思いを持って一緒に万引き防止対策に取り組む人たちが出てきてくれたら嬉しいです。」と来場者に呼びかけました。
約2時間の講義は、内容が濃く、来場した皆さんも満足した様子でした。
防犯ボランティアの皆様の日々の地道な活動が、犯罪を未然に防いでいるのだと改めて感じさせられた防犯イベントでした。
このページの関連カテゴリー