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令和6年度『青パトセミナー』を開催

 記録的な酷暑が続いていた夏も過ぎ去って秋になり、青パトセミナーの季節がやってきました。今年も警視庁交通安全教育センター(世田谷区)を舞台に、普段から青色防犯パトロールを実施している40名の方(青パト車両19台)が参加して、『青色防犯パトロールで地域防犯を活性化!!』の表題のもと実施されました。

 

写真:令和6年度『青パトセミナー』に参加された皆さん

 

~「闇バイト」「トクリュウ」とは~

 カリキュラムは例年どおり、前半が室内での青色防犯パトロールに関する座学、後半は屋外のコースで青パト車両を使用しての運転訓練です。
 この日の座学で大きなテーマとなったのは、このところ首都圏を中心に全国で立て続けに起きているいわゆる「闇バイト」強盗事件についてでした。「闇バイト」や「トクリュウ」などのキーワードで呼ばれる一連の犯罪について、ここで少し整理してみましょう。
 犯人グループは指示役と実行役に分かれており、主にSNS上で「高額バイト」「即日入金」などと短時間で高収入が得られるという甘い言葉で犯罪の実行役を募集しています。これが、いわゆる「闇バイト」の募集です。また、グループの中心的な人物は警察の捜査が自らに及ぶことのないように、自分たちが何者かを名乗らずに秘匿性の高い通信手段を使用しています。そして、実行役が警察に検挙されたとしてもSNSや求人サイト等で新たな実行役を募集するなど流動化している特徴から、「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」と呼ばれています。
 令和5年1月に狛江市で起きた事件では、90歳の高齢女性が亡くなっており、昨今多くの凶悪事件が発生しています。

 

写真:張りつめた空気で張りつめた空気で

 

~警視庁から3つのお願い「見守り、広報啓発、通報」~

 はじめに登壇した講師は、警視庁生活安全総務課の岡野雅史さん。「トクリュウ」の現状について触れた後、「皆さんにお願いがあります」と参加者に語りかけました。
「パトロール中に、たとえばバールを持った人物を見かけたような場合、ご自分の身の安全を確保しつつ、110番通報し、あとは警察にお任せいただければと思います」
 岡野さんは、青パトには3つの効果があると伝えます。
「①が見守り、②が広報啓発、③が通報です。地域をくまなく回ることで人々に安心を届け、その地域ならではの情報発信をすることができる。そして、何かがあった場合には、迅速な通報もできる。青パトは、本当に貴重な存在なのです」
 この日は19台の青パトが参加していましたが、こんなに集まっての講義や訓練は国内最大規模なのではないか、とも話します。岡野さんは、「この機会にぜひ、参加者同士で情報交換をするなどして、今後の活動に役立ててください」と結びました。

 

写真:岡野雅史さん岡野雅史さん

 

~元気な挨拶で大きな防犯効果~

 次の講師は、市民防犯インストラクターの武田信彦さん。「トクリュウ」による負の流れが止まらない状況を踏まえて、「今こそ、皆さんの力が必要です」と力を込めます。
「とはいえ、私たち一般市民ができる防犯活動には“できる範囲”があります。たとえば、怪しい人を探したり、張り込みをしたりするようなことは、絶対にNG。そうではなく、“姿を見せる”ことを意識して、すれ違った人たちに元気よく挨拶すること。これだけでも、大きな防犯効果が期待できます」
 そしてこれは、「人の目を気にするタイプの犯罪」に、特に効果的だと武田さん。
「青パトは、とても目立ちます。犯罪を企む者が近くにいたら、あの青い回転灯を見ただけで、(犯罪に向かおうとする気持ちが)萎えてしまいやすいのです。車両ならではの機動力を活かして、皆さんの街に安全の輪を広げてください」
 さらに、「車両に搭載されているスピーカーを活用することで、戸締りの大切さなどの防犯意識を高める効果も期待できるし、見守られている“安心感”を広げることにもつながります」

 

写真:武田信彦さん武田信彦さん

 

~地域の特徴に寄り添ったパトロール~

 続いて武田さんは、「普段の活動内容や、ご自分が感じている“やりがい”などを教えてください」と、会場の参加者にマイクを向けました。
 話を聞いてみると、やはり団体ごとに活動内容や頻度、実施する時間帯などがそれぞれ異なっていることがわかります。それはたとえば、「地域全体を広く見守るタイプ」のパトロールなのか、「小学校を中心としたタイプ」の見守りなのか、といった違いです。それぞれの街には、それぞれの特徴に寄り添ったパトロールや運用方法が存在するようです。

 

写真:その街ならではの活動を発表していただいた方々1
写真:その街ならではの活動を発表していただいた方々2
写真:その街ならではの活動を発表していただいた方々3その街ならではの活動を発表していただいた方々

 

~運転訓練「死角の認識と安全運転」~

 そして後半。コースに出ての訓練ではまず、「運転席からの死角」の確認を行いました。もし、停止中の車のボンネット前に子供がしゃがんでいたら、その姿はドライバーには見えません。そのまま発進してしまったら……と思うとドキッとします。車の前後左右には明確な死角が存在する点を踏まえて、乗車前の安全確認や「運転中にも見えない箇所がある」ことを知ることの重要性について、説明してくれました。
 続く急制動訓練では、時速50kmからのフルブレーキングを実体験。それも、「①目印のコーンが置いてある地点からのフルブレーキ」と、「②目前にある信号に反応してのフルブレーキ」の2パターンを行います。すると多くの方が、心の準備ができていない状態で咄嗟に反応しなければならない②のほうで、より長い制動距離を要する結果となりました。
 それもそのはず、講師曰く「急ブレーキは練習してもなかなか上手く踏めません。ましてや突然の反応でうまく対応できる人などほんの一握りです。皆さんは急ブレーキを踏まない安全運転に努めてください」とのこと。
 参加していた女性に話を聞いてみると、「急ブレーキなんて自信はありませんでしたし、身をもって体感しました。急ブレーキを踏まない運転を心がけますよ」と笑顔を見せてくれました。

 

写真:参加した青パト車両参加した青パト車両
写真:車の前後左右には死角が車の前後左右には死角が
写真:予想以上に難しい急制動予想以上に難しい急制動
写真:話術に引き込まれます話術に引き込まれます

 

~青色防犯パトロールで地域防犯力を活性化~

 最後は多発している右折車両と直進車両の事故について、実際に車両を講師が運転して再現してくれました。その迫力に「危ない」「ぶつかる」との大きな声が上がりましたが、この事故の主な原因は相手車両の速度の見誤りとのことで、こちらも心に余裕を持って安全運転に努めるように説明がありました。

 以上で今年度の青パトセミナーは爽快な秋晴れの中で無事に終了となりました。
 青色防犯パトロールは大きな防犯効果があります。青色防犯パトロールはどなたでも始めることができます(警察署で事前手続きが必要)。皆さんの青色防犯パトロールで地域の防犯力を活性化させましょう。