自主的な防犯活動を支援するポータルサイト。最新の防犯情報を提供します。身近な仲間を誘いあって、できることから始めてみよう。

メニューを飛ばして本文へ進む

ホームへ戻る

防犯情報マップ

防犯トピックス

防犯ボランティア活動

都内区市町村の取組

安全安心まちづくり条例

防犯設備(防犯カメラ等)の整備

子供の安全対策

ボランティアリーダーの育成

地域安全マップ

企業連携

警視庁の取組

FAQ・このサイトの使い方

お知らせ・イベント

防犯団体登録・メール登録・各種資料

お問い合わせ

オープンデータ

令和4年度「防犯ボランティアのつどい」を開催

 6月4日、都庁大会議室において、令和4年度「防犯ボランティアのつどい」が開催されました。少しずつ下火になりつつあるものの未だ終息していないコロナ禍への対策として、また、コミュニケーションのデジタル化への対応として、今回は会場だけではなくインターネット配信も合わせての実施となりました。

写真:集合写真

 はじめに挨拶に立ったのは、東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部の藤原朋子担当課長。
「都内の犯罪認知件数は右肩下がりの状況にあります。しかしながら、子供を狙った犯罪は近年、横ばい傾向にあり、加えて、主に高齢者を狙った特殊詐欺も、令和3年度は前年度より増加しています。守られるべき立場にある人に対する犯罪が減らないことに対し、更に取組を強化していくことが必要です。そのためには、行政や警察の取組はもちろん、防犯ボランティアの皆さんのお力添えが不可欠。今後もご協力をお願いいたします」

写真:藤原朋子担当課長
藤原朋子担当課長

 とはいえ現在、多くの防犯ボランティア団体は、少々悩ましい問題を抱えています。それは、メンバーの高齢化と、担い手不足です。50代ぐらいまでの方は仕事や家事で忙しいため活動に参加しづらく、決まった日時に集まるのも困難なのです。そこで都は、新たな取組を打ち出しました。藤原担当課長はこう説明します。
「都では昨年度から、“ながら見守り”を奨励する事業を始めました。具体的に、犬の散歩をしながら街を見守っていただく“わんわんパトロール”と、市民ランナーの皆さんに、走りながら街を見守っていただく“ランニングパトロール”です。おかげさまで、昨年1年間で100団体もの『ながら見守り団体』が新規に防犯ボランティア団体の登録をしてくださいました」
 犬の散歩やランニングを日課にしている人は少なくありません。そのついでにパトロールをしていただくだけなので、個人の負担も最小限で済むのが最大のメリットです。

 続いて、「情報投稿マップ」に関する体験コーナーに移りました。この「情報投稿マップ」とは、当サイト「大東京防犯ネットワーク」にあるもので、日々の防犯活動の結果等を画像と共に投稿できるものとなります。
 体験コーナーでは、「情報投稿マップ」を知ってもらうため、参加者の皆さんに1台ずつタブレットを配付し、都民安全推進部の櫻井繁課長代理がインストラクターを務めて実際の操作方法等を体験してもらいました。

写真:櫻井繁課長代理
櫻井繁課長代理

 サイトに実際にアクセスしてログインして情報を書き込んで……という一連の作業に戸惑う方もいらっしゃいましたが、皆さん無事にテスト投稿することができました。今後、是非このマップを活用して、団体の存在や活動の様子を発信していただきたいと思います。

写真:配布されたタブレットで投稿を試す参加者 自分の団体の書き込みはもちろん団体の書き込みが閲覧できます
配布されたタブレットで投稿を試す参加者
自分の団体の書き込みはもちろん団体の書き込みが閲覧できます

 続いて講演に登壇したのは、株式会社まちづくり計画研究所・代表取締役の今泉重敏さん。今泉さんは、福岡県を拠点に活動し、まちづくりや地域おこしに関する調査・研究を専門的に行っています。総務省地域力創造アドバイザー等多数のアドバイザーを務め、実践可能かつ、ユニークで楽しい市民目線のまちづくり計画を得意としており、都が主催するイベントには今回が初登場。はるばる福岡県からお越しいただきました。
 軽妙な話しぶりではありつつも、その内容には同氏の経験と蓄積から繰り出される重みのあるメッセージが込められており、聞き手の参加者の皆さんもうなずくばかり。
 今泉さん曰く、「まず地域には『2・6・2の法則』があります。前向きな2割、足を引っ張る2割、黙って様子見の6割。『前向きな2割』の方々と一緒になって、実現可能なアイディアを達成し、自信を付けながら前に進むのが大切です」とのアドバイス。続けて、「人の顔が異なるように、地域の顔も様々です。地域らしさを生かして、何事もプラスに捉えて、関係者の意識を高めていくのがポイントです」。

写真:今泉重敏さん
今泉重敏さん

 講義の中で、会場が大きく沸いた2つのエピソードを紹介します。
 一つ目は、「子供たちを見守っていたのに見守られていた」というもの。
 自宅2階の室内から、児童の登下校見守りをしていたひとり暮らしの高齢女性。窓から手を振るうちに、子供も手を振り返すなど、女性と子供たちは徐々に顔見知りに。ところがある日、女性が顔を見せなかったので、心配した子供たちは、学校の先生にそのことを告げた。先生はそれは大変と担当の民生委員へ連絡。ところが女性の自宅を訪問すると、姿が無い。病気で入院したのか、事件に巻き込まれたのか・・・と大騒ぎをしていると、近所の方が「旅行中ですよ」と一言。無事であることが確認できた。
 子供たちを見守っていたはずが、同時に子供たちからも見守られており、自然と相互の見守り関係ができていた、というエピソードです。
 二つ目は、「ほんのちょっとの工夫で激変」というもの。
 郊外の道路脇にある空き地は、よくある話で大小さまざまなゴミの不法投棄が絶えない。いくら対策をしてもイタチごっこで、状況は悪化する一方。ある日その場所に大きな石を置き、しめ縄を巻いて飾り付けてみた。すると、絶えることが無かった不法投棄がなくなったばかりか、やがて石の前に賽銭まで供えられるようになったそう。人は、神聖な場所(きれいな場所)にはゴミを捨てない、というエピソード。因みに、石は町内にあったものを運び、しめ縄は地元の有志が作成したそうです。

写真:不法投棄場所

 何かを大きく変えるために必要だったのは、ほんの小さなきっかけだった……というのは、よく聞く話ですが、実際の写真等と共にパワーポイントで紹介された実例に、会場参加者もインターネット参加者も大いに納得していました。
 経験豊富な今泉さんのお話には、現状の防犯活動に悩んだり、今後の活動の在り方を模索したりしている団体にとって、たくさんのヒントが織り込まれていました。

 講演の後半は、5~6人ずつテーブルに分かれ、今泉さんから出題されたテーマに沿ってのグループワーク。最初は遠慮で無口だった各テーブルも、A3用紙に自己紹介を書いて発表すると、偶然にもご近所さん同士が一緒だったり、わんわんパトロールに興味のある人が経験者と隣り合わせになったりするなど、お互い打ち解けて和気あいあいとした雰囲気となり、グループワークは大盛況。最後に各テーブルの代表者がグループワークの結果を発表し、“熱い時間”もあっという間に過ぎました。また、グループワークの間、今泉さんはインターネット参加者とオンライン交流を行いました。会場参加者はもちろん、インターネット参加者にとっても充実した講義となりました。

写真:インターネット参加者とも議論が続きます
インターネット参加者とも議論が続きます

 本年度の「つどい」は、秋に市部でも開催予定です。今度はどんな方と出会えるかな・・・今泉先生は次回への意欲も満々です。秋に参加をご予定している皆さん、どうぞお楽しみに!

写真:
写真:
写真:
写真:
写真:
【取材日:令和4年6月4日】