令和4年2月27日、立川市内の会場で「親子で学ぼう、防犯教室」が開催されました。 この4月から小学校に上がる子供たち24名とその保護者が参加しました。
講師を務めたのは、NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所代表の宮田美恵子さん。登下校の間に起こりうる危険とその回避方法についての講義という幼児にとってはじめての内容ですが、パネルシアターなどを使用して進められる内容に、子供たちは興味津々。身じろぎもせず、集中して聞き入っています。
まずは防犯標語「いかのおすし」の説明から始まります。
「いかのおすし」は、次のとおりです。
・ついて「いか」ない
・車に「の」らない
・「お」おごえを出す
・「す」ぐ逃げる
・大人に「し」らせる
覚えやすい文言のなかに、もしものことがあっても子供自身で対処できるようにとの願いが込められています。そして、これらをひとつずつ噛み砕いて、講話とロールプレイを用いて教えるのが、このセミナーの目的です。
「学校からの帰り道に、誰かに、『今レストランで、お母さんとおいしいものを食べていたんだけど、子供を連れてきてほしいって頼まれたの。だから一緒に車に乗って、お母さんのいるお店に行こう』と話しかけられたけど、こんなときはどうすればいいかな?」
こんな質問にも、子供たちはすぐに反応します。
「ダメ!」「悪い人だよ!」「絶対に行かない!」「泥棒かもしれない!」
その他にも、「かわいい子犬がたくさん生まれたから見に来ない?」や「おいしいお菓子がいっぱいあるから、食べにおいで」などといった場面もありましたが、子供たちは揺るぎません。「ゲーム機を買ってあげる」と言われても、頑として拒みます。
いくら断っても、子供を連れ去ろうとしている人物がしつこく食い下がることもあるでしょう。そんなケースを想定して、「助けて!」と声を出す体験もします。緊張して声が出せない場合には防犯ブザーを使いますが、こちらも実際に本物を使ってみる練習をしました。
最後は、「ノーランドセル」の実体験です。危険を感じて、その場から逃げなくてはならないような場合、教科書などを加えて5kg以上にもなるランドセルを背負っていては素早く走れません。そんなときには、その場にランドセルを置いて走る「ノーランドセル」が重要になります。
子供たちは交番や「こども110番の家」に駆け込み、何があったかを説明するというロールプレイングにチャレンジ。このミッションも24名全員が難なくクリアして、場内は大きな拍手で包まれました。
この催しの立川市の担当である立川市役所市民生活部の生活安全係長・小山裕二郎さんは、今春の小学校入学を控えた子供をもつ父親であり、そのお子さんも参加者のひとりでした。そんな小山さんに、参加してみての感想を聞いてみました。
「話を聞くだけだと一方的な印象がありますが、そうではなく双方向といいますか、子供たちが実際に体験できる部分があったのがよかったです。講義のほうも、イラストなどを多用していて親しみやすく、子供たちにも伝わりやすいと感じました。父親としては子供を参加させてよかったですし、担当者としては(このコロナ禍のなかで)開催できてよかったと思います」
別の保護者は、「子供にどう教えればいいのか迷っていたポイントをズバッと教えていただけて、とても感動しました。家に帰ったら、すぐに復習させようと思います」と感想を話してくれました。
令和4年、東京には約10万人の新1年生が誕生します。もうじき桜の花とともに、真新しいランドセルの花が咲き誇ります。
【取材日:令和4年2月27日】 |
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