令和2年10月28日(水)、東京都庁都議会議事堂1階都民ホールにおいて、「令和2年度 東京都都民安全推進本部長賞表彰式」が執り行われました。これは、日夜防犯ボランティア活動に従事し、地域の安心・安全のために尽力されておられる方々に対し東京都として感謝の意を表すために行われているもので、本年度は27名・15団体に表彰状が、29団体に感謝状が贈呈されました。なお、今回の表彰式は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、表彰状受賞者のうち24名の方に御参列いただきました。
現在、都内ではおよそ3800の防犯ボランティア団体が活動しており、登下校時の子供の見守りや青パト活動(青色回転灯を装備する自動車による自主防犯パトロール活動)など、さまざまな形で地域の防犯活動に取り組んでくださっています。昼夜を問わない熱心なボランティア活動が、東京の治安向上に大きく貢献していることはいうまでもありません。
今回表彰されたのは、長年にわたり防犯活動を継続的に実施している方々や、地域の安心・安全に関して模範となる先駆的な活動をしている方々です。
式典では、まず、御参列の表彰状受賞者のお名前が読み上げられたのち、國枝治男東京都都民安全推進本部長から、受賞者を代表して葛飾区の亀有防犯指導員ネットワーク ナイスかめありの会長山勝正久さんと、福生市の福生警察署管内防犯協会瑞穂支部 女性支部長の谷口美子さんの2名の方に対して、表彰状が贈呈されました。
その後、挨拶に立った國枝都民安全推進本部長は、「本来なら、多くの受賞者の方をお迎えしたかったのですが、新型コロナウィルスの感染防止のため、本日は24名の方にご参列いただきました。本日、ご参列いただいておられない方々を含めて、受賞された皆さまに心より感謝申し上げるとともに、活動を支えてこられたご家族や関係者の皆さまにも、厚く御礼を申し上げます。」と謝意を表した後、次のように式辞を続けました。「さまざまな取組で皆さまがご活躍いただいたことにより、平成14年には約30万件だった都内の刑法犯認知件数は、昨年は約10万4000件と大幅に減少しました。これは、警察や自治体だけの力でなしうるものではなく、皆さまのご尽力があってこそ。東京の安心・安全は、皆さまの真摯な取組みの積み重ねによって支えられています。」「折しも今、新型コロナウィルス感染症が世界中で猛威をふるっており、私たちは感染拡大防止と社会経済活動の両立という、未だかつて経験したことのない大きな変化の中にあります。安全・安心かつ安定した都民生活を守るため、地域防犯の第一線で活躍をしておられる皆さまと、より一層連携を深めて、この難局を乗り越えてまいりたいと考えております。」
誰もが安全・安心に暮らせる街・東京には、防犯ボランティアの方々の力が欠かせない――本部長の式辞に込められた防犯ボランティア活動の重要性に、受賞者の皆さんも大きくうなずいていました。
式典の最後に受賞者を代表してスピーチしたのは、稲城市みどりクラブ若葉台杜の会5000歩の会代表の藤井孝一さん。
「平成18年に活動を始めて以来、稲城市立若葉台小学校の登下校見守りなど、これまで延べ1万3,120人がパトロールに参加しました。私たちは毎週月曜日から金曜日まで、子供たちに『こんにちは!』と大きな声で挨拶してからパトロールを始めます。今後も安全で安心なまちにするため、いささかでも寄与したいと思っております。」と述べられました。
毎日歩くことが健康づくりになり、子供たちと話すことで心が癒されて穏やかな気持ちになるとのこと。一石二鳥の活動を、楽しみながら行っておられるようでした。
本年の表彰から、青パト活動を主として実施している個人及び団体の御功績をたたえる内容の賞状が新設されました。この賞状を贈呈された板橋区成増第一町会会長の田中誠さんに受賞の感想などお話しをうかがいました。
成増第一町会では、平成17年に青パト車両を購入して以降、青パトを活用したパトロールを2000回以上実施してきました。「私たちはあくまで町会であって、もともとが防犯のために集まったグループではありません。それでも、コツコツと地道に地域の安全のために活動を続けてきたことが評価されて、光栄に思います。」と田中さんは話してくれました。
青パトによるパトロール以外には、小中学校の登下校見守りをはじめ、防犯カメラの設置なども積極的に行ってきた成増第一町会。そのような活動が、成増の街の安全・安心に大きく寄与していることはいうまでもありません。
田中さんに今後の活動についてうかがったところ「今回東京都から表彰していただいたことを糧にして、今後も活動を続けていきたい。今の課題は、これまで築いてきた経験を若い人たちに伝達することです。そのことを目標に、今後も地元のために活動を続けていきたいと思っています。」と力強く語ってくれました。
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