大東京防犯ネットワーク

　平成31年4月6日、東京都庁都民広場において「パトラン東京結成式」が行われました。雲ひとつない春空の下、100名を超えるランナーのほか、パトランと共に活動されている警視庁若手防犯ボランティア「ピーポーズ」、新宿警察署、上野警察署、下谷警察署、浅草警察署、蔵前警察署、亀有警察署、葛飾警察署、新宿区役所、台東区役所、葛飾区役所、足立区役所の方々が参加し、東京での活動スタートに花を添えました。

　「パトラン」とは、「パトロール＋ランニング」の造語。文字通り、市民が主体となり、街を走りながら防犯パトロールを行う活動です。
　「パトランは、一石三鳥の活動です。パトロールで安全な街づくり、ランニングで健康づくり、さらには仲間づくりもできますから。」と創始者であるパトランJAPAN代表立花祐平さんは笑顔で語ります。

　パトランは、平成25年に福岡県でスタート。最初は、わずか5名でしたが、「パトランJAPAN」として組織化した現在では、全国36都道府県に約1500名ものメンバーが所属しています。
　都内で活動を開始したのは1年半前。初めはわずか数名でしたが、ランニングという趣味を活かしつつ社会貢献できる点に魅力を感じたパトラン東京代表の渡部信隆さんが中心となって徐々に活動の輪を広げ、このたび「パトラン東京」を結成することとなったのです。

　「今年から来年にかけて、ラグビーワールドカップと東京オリンピック・パラリンピックという大きなイベントが続きます。まずは、世界中から来訪する観光客の方たちに安心して過ごしてもらい、東京の安全を体験していただければと思っています。」と渡部さんは抱負を語ります。
　「そうすれば当然、住民の方にも『安全・安心な東京』を感じてもらえるはず。また、東京はランナーの多い街でもあります。これからは、メンバーをどんどん増やしていくつもりです。パトランに興味を持った方がいたら、ぜひ仲間になってほしい。」と語る渡部さん。パトラン東京のメンバーは現在30名おり、SNSなどを通じて全国の仲間たちと活発な交流を行っています。

　　パトランJAPANホームページ

　防犯ボランティアの大きな懸念材料は参加者の高齢化。
　この点について、立花さんは次のように話します。
　「パトランの活動は年齢を問いません。メンバーは、主として会社員、学生などで構成されていて、平均年齢は40歳ぐらいだと思います。若い人にどんどん参加してもらって、次世代に広げていきたいです。」
　東京都都民安全推進本部の高野治安対策担当部長は、「都民の治安への関心は高く、地域を見守る目をいかに増やすかが喫緊の課題です。結成は大変心強く、防犯力アップに力を貸していただきたい。」と挨拶されました。
　また、警視庁新宿警察署生活安全課の竹内真之課長は、「犯罪の未然防止に関して、警察だけではどうしても目の届かない部分があります。そんなときに効果を発揮するのが、皆さんのお力。世界一安全な都市東京を実現するためにも、パトランという新たなスタイルが都内に広がっていくことに大きな期待しています。」と、挨拶されました。
　続いて宣誓。
　大学生の片野愛梨さんが、「ランニングという趣味を通じてパトロールすることで、東京にいる全ての方々が安全で安心して歩ける東京を実現することを誓います！！」力強く宣誓した後、おそろいの真っ赤なTシャツに身を包んだ“パトランナー”たちは、爽やかに晴れ上がった青空に向かって元気よく駆け出していきました。