荏原警察署
わたしもあなたも年を取る
~みんなのささえで被害ゼロ~
【荏原・エゴマ作戦】
平成30年5月27日(日)、スクエア荏原において振込詐欺防止イベント「私もあなたも年を取る~みんなのささえで被害者ゼロ 荏原・エゴマ作戦」が開催されました。
■来賓挨拶【警視庁犯罪抑止対策本部 中村対策官】
中村対策官は、最近特殊詐欺被害が多くなったことを受けて「騙されたことがある人はいらっしゃいますか!」と挙手を促しつつ、実際に詐欺の被害にあったという人は少なく、被害にあったとしても分からない人もいる。また、恥ずかしいから言いたくないという人も多く、被害届は約4割の人が出さないことを指摘しました。
次に、「詐欺の電話がかかってきた人は?」という問いには沢山の人が挙手をされたので、「犯人は言葉巧みにだましてくるので、電話にはすぐに出ないでください。」と話され、警視庁では、犯人と直接話をしないために、留守番電話機能の活用を勧めていることを説明しました。
■軽度認知障害チェック
【司会:荏原警察署 地域課 安藤係長】
事前に配布した、「軽度認知障害チェック」を会場のみなさんと一緒に行いました。
① 料理をするとき手の込んだ料理を作らなくなった。
② ナベを焦がすようになった。
③ 仕事の時、同じ質問や確認を繰り返すようになった。
④ ネクタイを結べなくなった。
⑤ 服装に気を使わなくなった。
他、全部で12項目をチェックし、あてはまった方はこの後の講義が大変参考になるので、よく聞いて頂きたいと注意喚起しました。
■軽度認知症につけこむ特殊詐欺
【旗の台病院名誉院長 認知症サポート医 沖野光彦先生】
沖野光彦先生は、認知症の一歩手前である「MCI」という軽度認知障害のことを紹介し、日常生活に支障はきたさないものの、高齢者の4人に1人は発症している可能性があることを示唆しました。
「MCI」には定義がなく、様々な憶測があるものの、正しく冷静な判断ができなくなって詐欺被害に遭いやすくなることや、注意力散漫になり、アクセルとブレーキを踏み間違え交通事故を起こしてしまうことが、その症状の最たるものであると指摘しました。
防止策として、「(お金の引出等の際は)銀行の助けをかりる」「金銭管理の代表者を決めておく」ことを勧めたうえで、特殊詐欺は高齢者がターゲットになっているため、正しい知識を持つことが被害防止に繋がると話されました。
■財産を守るための法的手続きについて
【武蔵小山法律事務所 弁護士 松本常広先生】
松本常広先生は、平成21年には23億円だった特殊詐欺の被害額が去年は80億円だったことを受け、「手口が巧妙化していて、弁護士の自分でさえ信用してしまうかもしれない。」と話されました。まずは一人では判断しないというのが大事と語り、財産を守るためには一人で管理せずに信頼できる人に預けることや、判断能力が十分なうちに、ご自身でどのようにするのが良いかを弁護士や公的機関に相談することも大切であると話しました。
■えごま油と健康について【太田油脂株式会社】
【オイルライフアドバイザー 尾崎澄香さん】
荏原という地名は、「荏胡麻(えごま)の茂る原」に由来すると言われています。
創業116周年を迎えた、太田油脂㈱の一番の人気商品がえごま油で、えごま油に含まれるオメガ3脂肪は認知症の予防に期待されている等、えごま油の効能を語ってくれました。
太田油脂(株)では、認知症を理解し、その家族を応援するために認知症サポーターという資格を101名の社員が取得しているとのことで、今後も、えごま油を通して皆さんが、安全・安心そして健康でいられることを支援していかれることでした。
■署長挨拶【荏原警察署 渡邉署長】
渡邉署長は、振込め詐欺の被害に歯止めがかからないのは、「私は絶対に騙されない」という過信が一つの原因ではないか、と話され、警察官の親や芸能人も被害にあっていることから、犯罪の手口が巧妙になっていることを認識して頂きたいと訴えました。
そして、お子さんやお孫さん、家族の方とはもちろん、近所の方とも関わりを持ち続けることが大切で、今日この会場で聞いた話しをご家族や近所の皆さんに広めてほしい、と締めくくりました。
参加した皆さんには、荏原署から「美しい思い出」の花言葉に因んで、折紙で作った水芭蕉が配られ、「被害にあって、嫌な思い出になりませんように」という署員の思いとともに皆さん会場をあとにされました。