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地域の危険箇所改善指導者講習会を開催しました!

地域の危険箇所改善指導者講習会を開催しました!

 東京都は、子供が地域で安全・安心して暮らすことができる環境づくりを進めるため、本年度から区市町村との共催による「危険箇所改善モデル事業」を開始しました。
 この事業は「講習会・実践・報告」を一つのパッケージとして行います(3か年のモデル事業)。

事業の概要
① 講習
  • 子供が犯罪被害に遭いやすい道路や公園の危険箇所点検・改善手法を専門家から学習
  • 地元の町会や自治会等がフィールドワーク等を通じて地域改善計画を作成
② 実践
  • 町会や自治会等は地域改善計画に基づいて、自ら取り組む活動、他団体と連携した活動等を実施
  • 共催自治体は、相談対応など町会や自治会等の取組を支援
③ 報告
  • 町会や自治会等は共催自治体へ、共催自治体は都へ取組状況を定期的に報告
  • 都は、大東京防犯ネットワークや事例集への掲載等により、全都的に普及啓発

 本年度は、9月26日(金)に板橋区立グリーンホール、9月27日(土)に府中市役所で、それぞれの自治体と共催して「地域の危険箇所改善指導者講習会」を開催しました。
 板橋区は32名、府中市は40名と、いずれも地元の町会や自治会を中心に都内全域から多くの防犯リーダー等にご参加いただき、活気溢れる講習会となりました。

講義

講義 まず始めに、東京大学准教授の樋野公宏氏と筑波大学准教授の雨宮護氏から防犯まちづくりの基本的な考え方や調査手法に関する講義をしていただきました。
 樋野講師は、犯罪を未然に防ぐためには、自然監視性(特定の空間に通行人などの「目」が自然と行き届く状況)や領域性(住民による公共空間の適切な維持管理)が重要であるとし、誰もが取り組みやすい「プラス防犯」(※1)の活動を提唱されました。

※1 プラス防犯

プラス防犯 花の水やりや庭いじり、買い物や犬の散歩などの日頃の生活行動を“防犯の意識”を持って行い、地域の防犯力を高めようとする取組をプラス防犯と呼びます。こうした取組は、誰でも無理なく行うことができ、子供の見守りに効果的です。
 子供が犯罪に遭いやすい登下校や放課後の時間帯に行うとより効果的です。

 安全・安心なまちづくりのためには、住民によるソフト面の活動が不可欠であり、地域改善計画案の作成に当たってもそのことを意識するよう強調されました。

プラス防犯 樋野講師もジョギングをしながら地域を見守るジョグパト(ジョギングパトロール)に取り組んでいます(左写真)。プラス防犯

 その後、子供が犯罪被害に遭いやすい道路における「危険箇所(※2)や改善の手掛かり(※3)」の解説、調査方法等について画像等を用いて説明されました。

危険箇所※2 危険箇所

 放置すると、子供の生活環境、公園の利用者及びその地域で生活する人へ悪影響を及ぼす場所のこと

※3 改善の手掛かり

 地域の方が手を加えることで、生活環境及び公園の環境を改善できる可能性のある場所のこと

 雨宮講師は、子供への犯罪被害が多い公園の調査手法等について説明され、その後、本講習会の最終目的である「地域改善計画案」の作成手法と注意点を説明されました。
 地域改善のためには、地域の大人たちの協力が不可欠で、その取組を促すためには客観的な理由と説明が必要。調査に基づくレーダーチャートやマップの作成は、地域の課題を視覚化し、「誰が」「いつ」「何を」「どのように」取り組むことが効果的であるかを考える上でとても重要と説明されました。
 また、樋野講師も雨宮講師も他都市における取組実績が豊富で、その中から北海道旭川市と愛媛県松山市の事例を紹介していただきました。

フィールドワーク

 参加者を道路担当と公園担当の5つのグループに分け、それぞれに講師やファシリテーターを配置しました。各グループは8名程度とし、例えば、道路担当はみまもり量調査に3名、沿道状況・道路設計調査に3名、管理状況調査に2名と、すべての参加者に役割が割り振られました。
 ファシリテーターは、(株)C-ROWの坂本千晴氏、(有)まち処計画室の小口優子氏、(株)まちづくり商会の原田正隆氏にお願いしました。フィールドワークは、班ごとに地域に出て約1時間、専用の調査シートに記入しながら協力し合って進めます。

フィールドワーク
フィールドワーク

 出発前に、講師等を中心にグループ内で自己紹介や役割の確認等を行います。

フィールドワークそれでは出発!フィールドワーク

(道路担当)

 1区間約100メートル、全8区間を子供が歩く速さ(毎分60m程度)で歩きます。

道路担当 みまもり量調査はその間にすれ違った人や自転車、自動車等の数をカウントします。
 沿道状況・道路設計調査は落書きや路上の死角などをチェックします。また管理状況調査は防犯カメラや子供110番の家、掲示板の管理状況等を確認します。特に危険と思われる場所では写真を撮影します。

(公園担当)

公園担当 公園は、周囲からの視線の確保、園内から周囲への見通し、トイレの位置や設計、植栽の管理状況、落書きや不法投棄などをチェックします。また、利用状況等についても利用者や近隣住民等へインタビューして確認します。

マップ作成

 フィールドワークから会場に戻り、午前の部は終了。調査シートやカメラ、腕章を事務局へ提出してランチミーティング。仲間と一緒に昼食を取りながら調査の振り返り。気づいた点や感想を話し合います。
 昼食後は調査結果に基づいて危険箇所や改善の手掛かりの場所を分析します。
 本講習会では、時間の都合上、事務局がレーダーチャートの作成を行い、参加者は調査結果集計やレーダーチャート、写真等をもとにマップを作成します。手作りのマップは、メンバー間の地域課題の共有化にとても効果的です。

マップ作成

マップ作成マップ作成 調査を行った道路や公園の地図を拡大した模造紙に、危険と思われる場所へ写真やコメント付きの付箋紙を貼り付けます。

マップ作成コメント記入はとても大切。
危険箇所と判断した理由のほか、ここはこうすれば、もっと良くなるというポイントをメモします。マップ作成

<完成したマップ>

(板橋区)

完成したマップ

(府中市)

完成したマップ

 いずれの講習会も参加者は意欲的に取り組み、写真やコメントで埋め尽くされたマップが完成しました。

地域改善計画案の作成

地域改善計画案の作成 マップを作成する過程で、メンバー間に地域の課題が共有されるので、優先順位をつけながら、改善策の検討をします。
 危険又は改善の手掛かりとなる場所は、子供の安全・安心のため改善が求められます。その際、多くの時間や経費を要するハード整備ではなく、パトロールの強化、地域清掃、登下校見守りなど、プラス防犯の取組に力を入れます。

 まずはじめに、「自ら取り組む取組」、次に「他団体と連携協力する取組」、最後に「地元の役所や警察への提案」について短期、中期、長期に分けて検討します。
 レーダーチャートは評点の低い比較的危険な項目を視覚化するので、優先順位づけに役立ちます。講師等の助言もあり、より実践的な計画案が作成されていきます。

地域改善計画案の作成
発表

 各グループの発表時間は7分。発表役は事前に作成した発表シートに沿って簡潔に地域改善計画を説明。その後、講師又はファシリテーターが補足説明や実践に向けた助言を行いました。

発表

 中には「明日からでもすぐにやります!」「プラス防犯を実践する」「中長期的な課題は町会のメンバーとよく話し合いたい」などの頼もしい決意表明もありました。
 すべてのグループが発表した後、二人の講師から「今日の調査内容はかなりレベルが高い。すべてをこの通りにやる必要はないが、まずは始めることが大切。地域の力で子供の安全・安心を守ろう。」と全体を通した講評をいただきました。

今後の活動

 地元の町会・自治会から参加された方々は、講習会で作成した地域改善計画案やマップ等を持ち帰り、地元のメンバーと話し合って、より実現性の高い柔軟な計画へと練り上げます。その際、調査シートやレーダーチャートは客観性のある資料として、メンバー間の意思の共有化に役立ちます。
 町会や自治会は地域改善計画を完成させた後、それを役所へ報告するとともに改善に取り組みます。その後3年間は年1回程度、進捗状況を役所へ報告します。少しずつでも計画通りに改善されることを期待します。
 区市町村はその報告を東京都へ伝えます。都は、その内容を整理した上で、例えば大東京防犯ネットワーク等を通じて都内全域へ広がるよう周知、普及啓発します。

<講習会のアンケート結果>
地域改善計画案の作成について

 講習会に参加された方にはアンケートにお答えいただき、ほとんどの方が「よく理解できた」「理解できた」と回答されました。

<地域改善計画案の作成について>

  • 取組のポイントがしぼれた
  • 「いつ」、「誰が」、「行う」のかを明確にすることが、とても大切だと感じた
  • 全員で話し合えたことが良かった
  • 改善の取組手法が理解できた
  • 班員で意見交換ができた
  • 実際に目についたところがチェックできた