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 T-VOLAN(ティーボラン)

地域 東京都足立区

 足立区北部に位置する「竹の塚」という地区。町名では「竹の塚」とひらがな表記ですが、東武スカイツリーラインの駅名では「竹ノ塚」とカタカナになります。そして、そんな街には「T-VOLAN」とアルファベットでグループ名を名乗る、ちょっと変わり種の防犯ボランティア団体が存在します。令和6年8月19日、ゲリラ豪雨の合間を縫うようにして行われた防犯パトロールに同行してみました。 写真:T-VOLAN(ティーボラン)のみなさん
~ユニークなグループ名の由来~
 本欄ではこれまで、都内で活躍されている多くの防犯ボランティア団体を紹介してきました。今回ご登場いただく団体は、なかでも珍しいタイプなのかもしれません。
 というのも、①メンバーの平均年齢が若い、②男性中心である、③グループ名がユニーク……などの明確な特徴があるからです。でも、それらはこの団体が結成されるに至った経緯を紐解けば、すぐに納得できるものでした。会長の照井辰美さんにお話をうかがいます。

「私たちはもともと、足立区立第十四中学校のおやじの会が母体なんです。そこから、近隣の小中学校に広まっていって、そちらのおやじの会やPTAに属している人たちが次々と参加してくれて今に至ります。ですから当然、メンバーの中心は小中学生の親世代で、だいたい40代か50代ぐらいということになります」

 ここで出た『おやじの会』というキーワードが、先に特徴としてあげた①(=メンバーが若い)と②(=男性中心)の答えなのです。そして③の、何やら音楽が聞こえてきそうなグループ名に関しては、「普通の名前だと面白くないから、ちょっと変わったのにしよう」という意見から、「竹の塚」の頭文字である「T」と、「ボランティア」を短縮した「ボラン」に「VOLAN」という読みやすいスペルを当ててつなげた造語になったそうです。
写真:照井辰美さん
照井辰美さん
写真:身に着けたビブス
身に着けたビブス
~メンバーは同世代で仲良し~
 この日は、月に2回の夜間パトロールの日。開始予定時刻の19時が近づくと、「みんな仕事帰り」という現役世代のメンバーさんたちが次々と集まってきます。ところが、運悪くゲリラ豪雨の直撃を受けてしまい、激しい雷雨が遠ざかるのを待ってからスタートすることになりました。
 集合場所である第十四中学校の軒先を借りて雨宿りをする間はずっと、スマホの雨雲レーダーとにらめっこ。そんな待ち時間にも、メンバーの皆さんたちはさまざまな話題で盛り上がっているようです。もちろん仲がいい証拠なのでしょうが、世代や立場が近いという共通項があるからなのかもしれません。
写真:まずは駅前を歩いて
まずは駅前を歩いて
写真:そして住宅街へ
そして住宅街へ
~防犯パトロールのコースは不審者情報等を参考に~
 パトロールのコースは、警察からの防犯メールなどに適宜対応して、その日に決めています。つまり、「不審者情報などがあった場所」を重点的に見回る方式で、対象としているエリアは5つの小学校(伊興、栗原北、西新井第二、西伊興、東伊興)と3つの中学校(伊興、第十四、西新井)の学区内と、対象のエリアはとても広大です。
 この夜間パトロールの活動方針もユニークで、定期的なものは今のところ月2回としていますが、「誰かがやりたいと申し出た場合、3人以上の賛同があれば実施OK」といったオプションも設けてあり、各地区のメンバーが防犯メールなどの情報をもとに臨機応変に実施しています。
~謎の覆面マスクのメンバーも参加~
 パトロールの隊列には、なぜかプロレスラーのような覆面マスクを被った人たちも参加しています。こちらは『スポンジ実験隊』のメンバーで、その名のとおり区内にあるスポンジ加工会社(キッチンスポンジからベッドのマットレスまで取り扱っているそう)の社員によるユーチューバー。「足立区を少しでもよくしたい。足立区のためになりたい」という目標を掲げて、日々さまざまな活動を行っています。
 この「足立区のため」という点は、T-VOLAN会長の照井さんとも完全にシンクロしています。パトロールに出発する際、照井さんは、「すべては子どもたちのため。そして地域のため。地元の皆さんに感謝しつつ、今日も頑張りましょう!」と、優しい檄を飛ばしていました。T-VOLANのメンバーは、地元出身組と移住転入組が半々程度の割合だそうですが、地域を大切に思う気持ちはひとつなのです。
写真:スポンジ実験隊の皆さん
スポンジ実験隊の皆さん
写真:足取りも軽やかに
足取りも軽やかに
~参加メンバーの声~
 メンバーの中城忠久さんは、西新井第二小学校のPTA会長でもあります。

「私は以前、個人的に防犯パトロールやゴミ拾いなどの活動をしていました。当時、自宅周辺で不審者情報などが相次いだことで活動をはじめ、そうした活動をするうちに皆さんと知り合って誘っていただいたことが、T-VOLANに参加したきっかけです。入ってみてよかったなと感じているのは、やはり個人ではなくグループなので、ほかの学校の関係者と密接な情報交換ができること。同じ足立区といっても、地域ごとに事情や状況が異なりますし、危ないポイントも違いますから、それらを知ることができるだけでも参加したメリットは大きいと思っています」

 そう話す中城さんは、こう加えて笑顔に変わりました。

「この夜間パトロールは、毎回1時間みっちり歩くことになります。これが、運動不足の解消にピッタリなんですよ」
写真:中城忠久さん
中城忠久さん
写真:お疲れさまでした!
お疲れさまでした!
~メンバーの活動~
 T-VOLANのメンバーは、このような防犯パトロールや防犯イベント以外にも各学校の登校見守りや行事手伝いなど、それぞれのPTAや保護者会などと合同での活動も幅広く行っています。定期的な防犯パトロールや防犯イベントを行うことも重要ですが、日々の見守り活動にも力を入れて取り組んでいるとのことです。
 メンバーの松原さんに子どもの見守りについて話を伺うと「それぞれのメンバーが通学路に立って子どもの登下校を見守ることは、私たちの大切な活動だと思っています。子どもたちが安心して通学できればもちろん良いですし、自分たちの姿を見て自転車や自動車が少しでもスピードを落としてくれるだけでも十分な価値があるのではないでしょうか」とがっしりとした分厚い胸を張って答えてくれました。
 そんな「情熱」と「力」に溢れた熱いおやじたちが、日々、足立の街を守っているのです。
写真:子どもたちとは顔見知り
子どもたちとは顔見知り
写真:さあ渡っていいよ!

さあ渡っていいよ!

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