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 かみのげやさしくみまもり隊

地域 東京都世田谷区

 東急大井町線上野毛(かみのげ)駅のホームは半地下構造になっています。それをアーチ型に包み込む近代的な駅舎は、日本を代表する建築家・安藤忠雄氏の手によるものです。そんな特徴的な駅をもつ上野毛の街には、他とはちょっと趣の異なる防犯ボランティア団体があります。今回は、その結成の経緯や活動内容について、お話をお聞きしました。 写真:みまもり隊のみなさん
「ゆるやかな見守り」を目指して
 上野毛地区は、犬を飼っている世帯も多く、そのような方々に対して、世田谷区上野毛あんしんすこやかセンター等の方がアプローチし、地域でワンワンパトロールも含めた見守り活動を始めることにしたのです。
 活動のマニュアルには、次のように明記されています。
1.見守り活動の目的
  • 高齢者、障害者、子どもたちをゆるやかに見守り住民同士がつながる。
  • 犯罪や事故等を未然に防止する抑止力。
2.見守り活動を始めるにあたって(ゆるやかな見守りの実施)
  • 気楽に!
    気負わずに、肩肘張らず、日常生活の一部として気楽に行いましょう。
  • 気長に!
    気長に続ければ、やがて知らず知らずのうちに安全で安心な環境が醸成されます。
  • 安全に!
    せっかく見守り活動をしても、事故に遭ったり、怪我をしたのでは元も子もありません。
    無用な追跡など危険なことは必要ありません。
 参加希望者は、「上野毛あんしんすこやかセンター(上野毛地域包括支援センター)」にメンバー登録するだけ。そこでパトロール隊のグッズを受け取り、それを、服や鞄、ワンちゃんなどに着けてパトロールをするのがルールです。それ以外の決まりはなく、日時やコースも個人の自由。この気楽さが、まさに「ゆるやかな見守り」というわけです。
 「私自身は高齢者訪問ボランティアをやっていましたので、ワンワンパトロールのことは全く知らなくて……」 と話してくれたのは、「かみのげやさしくみまもり隊」二代目隊長に就任したばかりの鈴木雄二さん。
 「このオレンジのバンダナも少しずつ知られてきていて、小学校の授業でも話題になったと聞いています。犬を連れていると子どもたちも親しみやすいし、目立つという効果は想像以上ですね」と話してくれました。
 ここで、「かみのげやさしくみまもり隊」が発足した経緯を少し説明します。
 「まずは行政の話となりますが、世田谷区上野毛まちづくりセンターには、「上野毛まちづくりセンター」、「上野毛地域包括支援センター」、「社会福祉協議会上野毛地区事務局」の三者が同居しており、それぞれの職員たちは、毎日ひとつ屋根の下で働いております。世田谷区では、この三つの組織が一緒となって地域課題を抽出し、住民と共に課題解決に向けた取り組みをおこなう、地域住民に密着した総合的サービスの展開を行っています。」と、上野毛地域包括支援センターの佐藤修一さんが話してくれました。
写真:小さいけど心強い隊員です
小さいけど心強い隊員です
 佐藤さんたちはまず、地区内の福祉団体やボランティア団体などから情報収集をし、住民も一緒に集まって意見交換をする地区情報連絡会をスタートしたのです。こうして上野毛の街と人の状況を細かく把握するとともに「困りごと」を共有し、「助けを必要とする人」と「助けようとする人」をマッチングする催しも設けるようになりました。
 こうした多角的な活動は、さまざまな波及効果を生み出すこととなりました。社会福祉協議会上野毛地区事務局の佐藤里紗さんも、「これまで見えていなかったことが見えてきましたし、地域の皆さん同士の交流も進んだように感じています」と言います。
 ところが、こうして順調に船出した活動も、コロナ禍で中止に追い込まれてしまいました。
写真:左から佐藤里紗さん、石井正純さん、佐藤修一さん
左から佐藤里紗さん、石井正純さん、佐藤修一さん
 この未知のウィルスの蔓延によって外出もままならなくなり、集会の開催などもってのほかであるという状況が訪れました。そんなピンチに立ち向かうようにして生まれたのが、必ずしも複数人が集まる必要がなく、個人が自分の時間に自由に、「ゆるやかな形」での見守り活動が可能な、「かみのげやさしくみまもり隊」なのです。
写真:オレンジのバンダナが目印
オレンジのバンダナが目印
写真:隊の目印を自転車のカゴに着ける人も
隊の目印を自転車のカゴに着ける人も
 今後の活動について、「上野毛まちづくりセンター」所長の石井正純さんは次のように期待を込めます。
 「活動を始めて約1年半、まだまだ街全体に浸透したとは言い難い部分があるのが正直なところです。でも幸いなことに地域の皆さんが協力的ですので、無理せず一歩ずつ進んでいければいいと思っています。そうすれば、この活動は、必ず上野毛の安全・安心に寄与できるはずですから」
 住民一人一人がお互いを見守り合い、助け合う――。「ゆるやかな見守り」を謳う活動は、こうして「着実な一歩」を踏み出していました。今後、ますます地域のために、地道な取組を進めてくれることでしょう。
写真:鈴木雄二さん
鈴木雄二さん
写真:小学生の下校見守りも
小学生の下校見守りも

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