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東神田町会

地域 東京都千代田区

 長引くコロナ禍は、防犯活動を行っている都内各地域の町会・自治会の活動にもさまざまな影響を及ぼしています。防犯パトロールや地域の清掃活動等、屋外での活動の場合、「密」になる可能性は低いとはいえ、活動内容を変更したり頻度を少なくしたりするなどの対応を余儀なくされた団体は少なくありません。
 そのようななか、地域における清掃活動に関して斬新な取組を行っている千代田区東神田町会の活動を紹介します。
写真:東神田町会の皆様
メジャーリークで大活躍中の大谷翔平選手をヒントに

 町会の名称は「東神田」ですが、JRの駅でいえば神田ではなく秋葉原のほうが近い街。
 北は浅草、南は日本橋に接するエリアに所在し、東神田1丁目と2丁目の一部で500メートル四方程度に収まるコンパクトな街です。
 東神田町会の活動内容は多岐にわたりますが、そこにコロナ禍が暗い影を落としてしまいました。毎年の定例行事であり、街のみんなが楽しみにしているラジオ体操やお祭りも中止せざるを得なかったのです。
「でも、コロナだから何もできないのではなく、何かできることがあるはずだと思ったんです」と言うのは、副会長の増山みさほさん。
「私たちの町会がやるのは、ほかのグループがやっていないこと。たとえば小学校の登校見守りなどはPTAがやっていたりしますので、誰もやっていないところを担当したいというのもありました。私たちは“隙間産業”ですから」と、笑って話してくれます。
 やるのなら、老若男女どんな人でも参加できるものがいい――。みんなで頭をひねって浮かんできたのは「町内清掃」でしたが、そこに意外なアイデアを加えたのは青年部長の齋藤保則さん。ヒントになったのは、なんと米国メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手だといいます。
写真:増山さん(左)と齋藤さん
増山さん(左)と齋藤さん
子供たちには、おみやげを
「大谷選手は、投打における活躍だけでなく、プレーぶりや人柄といった面でも尊敬を集める存在です。ある試合で、グラウンドに落ちていたゴミをさりげなく拾った姿が大きな話題になりましたが、あの姿を見てピンと来たんです」と齋藤さん。
「ただ有名人にあやかっただけ」と謙遜しますが、さっそく「町のゴミをひろって(みよう)、君も大谷翔平になろう!」と書いたポスターを制作して掲示したところ、小学生たちも清掃に参加してくれるようになりました。
「小学生が来ると、30~40代の親世代も一緒に来ることになります。そこに、普段から町会活動をしている高齢世代が加われば、全世代を網羅できることになります」と増山さんが言うように、いい相乗効果もありました。
 清掃活動への参加に制約はなく、「いつでも好きなときに」と自由そのもの。さらに、「子供たちには、おみやげが必要」(増山さん)と、夏祭りなどの中止で余裕があった町会の予算の中から、ひとりあたり1000円分のクオカードを贈ることに決めました。それを参加者が受け取るためには、町中のゴミを拾ったことがわかる写真などを町会にメールで送るだけと簡単です。
「単にゴミを拾うというだけでなく、家庭から出たゴミも誰かが集めて処分してくれている、ということを理解してもらう実地教育にもなっていますし、何より子供たちが楽しいと言ってくれているのがよかったです」
 取材日の日も、大人たちに交じり、感染防止対策を徹底してお手伝いをする子供たちの姿が見られました。増山さんの言葉どおり、輝く笑顔が印象的でした。
写真:いっぱい集まりました!
いっぱい集まりました!
写真:大人も負けじと頑張ります
大人も負けじと頑張ります
わんわんパトロールで、防犯を強化
 こちらはあくまで町会であり、防犯活動を目的に結成されたボランティア団体ではありません。それでも増山さんは、何かしらの防犯活動はやりたいと以前から考えていたそうですが、「たとえばゴミ拾いにしてもひとりでやるにはきっかけや勇気がいります。そこをうまく打ち破る方法はないだろうか」と模索していました。
 そこで目をつけたのが、わんわんパトロール。
 東京都がわんわんパトロールの普及に取り組んでいることを知ると、さっそく都に問合せを行い、安全安心まちづくりを推進するマスコットキャラクター「みまもりぃぬ」のデザインとともに「わんわん東神田」とプリントしたオリジナルの手提げバッグを作製、町内でわんわんパトロールに取り組んでくれる人たち等に配付しているそうです。
「どんな活動も制約なしに、好きなときに、できる人がやるのがいい。その点、犬の散歩は毎日のことですし、これなら誰でもやりやすいと思いました」
 そうして完成したブルーのトートバッグは、町会メンバーの“ユニフォーム”である青いエプロンやTシャツと、まるでコーディネートしたかのように馴染んでいます。
「私たちの活動はささやかなものですが、この小さな活動がいずれ千代田区全体、あるいは東京都全体にまで広がってくれればいいなと夢見ています」と、増山さんは胸を膨らませていました。
写真:みまもりぃぬがプリントされた手提げバッグ
みまもりぃぬがプリントされた手提げバッグ
【取材日:令和3年8月31日】

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