自主的な防犯活動を支援するポータルサイト。最新の防犯情報を提供します。身近な仲間を誘いあって、できることから始めてみよう。

メニューを飛ばして本文へ進む

ホームへ戻る

防犯情報マップ

防犯トピックス

防犯ボランティア活動

都内区市町村の取組

安全安心まちづくり条例

防犯設備(防犯カメラ等)の整備

子供の安全対策

ボランティアリーダーの育成

地域安全マップ

企業連携

警視庁の取組

FAQ・このサイトの使い方

お知らせ・イベント

防犯団体登録・メール登録・各種資料

お問い合わせ

オープンデータ

防犯ボランティア活動紹介WEBマガジン
 石川町会

地域 東京都八王子市

 東京都心から西へ約40キロメートル、東京都の市部では人口・面積ともに最大であり、東京都初の中核市である八王子市。山地・丘陵が三方に広がり、高尾山などの山々が連なる豊かな自然に包まれている一方で、八王子駅周辺や南大沢など、多くの人が訪れる商業都市でもあります。年の瀬が迫る令和2年12月28日(月)、そんな八王子市で古くから防犯活動を続けている石川町会の夜間パトロールに同行させていただきました。

注)撮影の時だけ、マスクをはずしていただきました。
写真:石川町会の皆さん

 「まあ、いろいろとやっていますので。」と笑いながら語るのは、石川町会会長の守屋清美さんと同町会の防犯部長の内田庄太郎さん。
 まずは、丁寧にまとめられた資料を見せてくれました。
写真:石川町会の防犯活動に関する各種資料
石川町会の防犯活動に関する各種資料
 資料の中で特に目を引いたのが、防犯パトロールの記録を小まめに記録し、更に分析していること。
 記録している内容は、活動日時や活動区域、参加者だけでなく、青パトの走行距離など詳細にわたります。日々の活動を記録しておくだけでなく、それをグラフ化する等、分析することで、これまでの防犯パトロール活動の推移や傾向が一目瞭然です。
写真:これまでの防犯パトロールについて分析したグラフ
これまでの防犯パトロールについて分析したグラフ
(横軸が年、縦軸が人数・台数、棒グラフがパトロール車両出動台数
折れ線グラフがパトロールの出動人数を示す。)
 これらの資料を主に作成しているのが防犯部長の内田さん。「私は現役時代に事務系の仕事をしていたせいもあって、こういう作業が性に合っているのでしょうね。気がついたら、手が動いています。」そう謙遜されるのですが、なかなかできることではありません。

 また、ここ数年は、敢えてパトロールの方法を青パトだけではなく、徒歩によるパトロールも実施するようにしているとのこと。その理由について内田さんは「徒歩によるパトロールは、一つ一つの箇所をじっくり確認できるので、徒歩パトロールを増やしています。」と教えてくれました。
写真:石川町会 守屋会長(左) 内田防犯部長(右)
石川町会 守屋会長(左) 内田防犯部長(右)
 石川町会では平成20年に青パトを導入。現在稼働中の車両は3台、さらにもう1台を予備として所有しています。
 「石川町は、町内が広いのでパトロールするといっても、とても徒歩だけじゃ回り切れません。そこで青パトを導入して、ここ(町会会館)から近いエリアは徒歩で、遠いエリアは車で、と分担するようにしました。」(内田さん)
写真:石川町会の青パト
石川町会の青パト
私用車を青パトとして活用、パトロールの時だけマグネットシートを貼付)
 パトロールは月4回。およそ週1回のペースで実施しています。活動日は週1回と決まっているものの、何曜日の何時から、といったように日時を固定しないようにしているそうです。
 「パトロールの日時を固定してしまうと、犯罪者はその日を避けて悪いことをしようとするじゃないですか。それを避けるために、パトロールの日時は固定しないようにしています。」と内田さん。実際、防犯パトロールの活動予定表には、「関係者以外には流出しないように」といった文言が明記されています。
 朝昼夜と、3つの時間帯で行われる石川町会の防犯パトロール。朝と昼は主に小学校の登下校の見守りを、夜は暗く人通りの少ない路地を中心にパトロールしています。
「この辺りは昔、畑と田んぼばかりの農地でした。それが戦後になって農家が減り、農地だった土地に住宅が立ち並んで今に至ります。そうやって新しく石川町に来てくれる人たちに、ここが安全・安心な街であることを実感してもらいたいと思っています。」(守屋さん)
 現在でも、町の人口は増加傾向にあるそう。石川町を更に安全で安心に暮らせる街にするため、町会が行ってきた活動の柱の一つに「防犯灯(街路灯)の設置及び管理」があります。夜になると、表通りから少し路地に入っただけで、街路灯がないと辺りは暗闇になってしまいます。そこで石川町会では防犯灯(街路灯)の設置に力を入れ、ポイントごとに次々と防犯灯を設置していきました。その数は現在までになんと合計370ヵ所にも及びます。
更に、町内の街路灯の設置箇所を地図上に落とし込み、毎月のパトロールで一つ一つ「電球が切れていないか」「樹木等で見えにくくなっていないか」等を点検するそう。すべての防犯灯に対して、いつ設置して、いつ電球を交換したかについても記録し、一覧表にしているというから驚きです。
町内全域の防犯灯設置箇所
町内全域の防犯灯設置箇所
町内の防犯灯の一覧表。電球や器具の交換についてすべて記録されています。
町内の防犯灯の一覧表。電球や器具の交換についてすべて記録されています。
 取材にお邪魔したこの日に行われたのは、「年末特別警戒パトロール」。
 1年間の総仕上げとして、12月28日と29日に2日連続で実施されました。午後6時から約1時間、徒歩パト班1組と青パト班2組の合計3組に分かれて町内を回ります。
 「今年最後のパトロールだから、皆さんよろしくお願いしますね!!」
 との守屋さんの号令を受けて出発した徒歩パト班は、暗闇の中を懐中電灯で照らして確認するなど、街の変化に目を光らせながら進んでいきます。もちろん、町内の防犯灯も順次チェックしていきます。そしてパトロール後には町会会館に戻って報告がなされ、内田さんの手によって「異常なし」の4文字が報告書に記載されるのです。
写真:徒歩パトロールの様子
徒歩パトロールの様子
写真:町会が設置した防犯灯が暗い夜道を照らします。
町会が設置した防犯灯が暗い夜道を照らします。
 「パトロールをするからといって、不審者を見つけたり、犯罪を阻止したりするわけではありません。むしろ『何もないこと』が一番で、それこそが街の安全を証明することだと思います。」
 守屋さんがそう言うと、この日のパトロールに駆け付けた町内の駐在所の警察官も「石川町は以前から静かで、事件や事故が少ない街です。とはいえ面積が広く、私一人ではどうしても目の届かない場所があります。こうやって町会の皆さんが日々パトロールをしてくださることが、街の安全に大きく寄与していることは確か。住民の方たちにとって、たいへん心強く、ありがたいことだと思います。」と話してくれました。
 こういった地道な活動が実を結び、石川町会は令和2年度の「東京都都民安全推進本部長賞」を受賞しました。この表彰は、日夜防犯ボランティア活動に従事し、地域の安心・安全のために尽力されておられる方々に対し、東京都として感謝の意を表すために行われているものです。受賞の感想を尋ねたところ「うちの町会は皆さんが協力的で、活動にも自主的に出てくれる人ばかり。この賞を励みにして、石川町の安心・安全を維持していきたい。」(守屋さん)、「たいへん名誉なことで、メンバーたちの励みになります。」(内田さん)と語ってくれました。
 最後に守屋さんは「60年前には町内に291戸しかなかったのが、現在は2000戸を超えています。こうして新たに来た人たちに、石川町をもっと好きになってもらえるよう、今後もさまざまな活動を続けていきます。」と、力強く語ってくれました。
令和2年度「東京都都民安全推進本部長賞」の表彰状(青パト部門)
令和2年度「東京都都民安全推進本部長賞」の表彰状(青パト部門)


【取材日:令和2年12月28日】

このページの関連カテゴリー