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NPO法人 市民パトロールセンターはむら

 


地域 東京都羽村市

 東京都の西部に位置し、市内には多摩川が流れ、自然と人、都市機能の調和したまち、羽村市。江戸時代に開削された玉川上水の取水口のあるまちとしても知られています。
 今回は、その羽村市で積極的に防犯活動を行っている防犯団体「NPO法人 市民パトロールセンターはむら」の活動に同行させていただきました。約5万5000人の方が暮らすこの街の防犯パトロールは、コンパクトな街の隅々まで見守りの目を行き届かせていました。
写真:『NPO法人 市民パトロールセンターはむら』のみなさん
アオバズクをモチーフにした
「市民パトロールセンターはむら」のエンブレム


東日本大震災を目の当たりにして
 「平成23年3月に起きた東日本大震災の際、あの被害状況を見て、私にも何かできることがあるのではないかと思い、直ぐにでも現地に飛んでいきたい気持ちでしたが、当時は直ちに行動に移すことは出来ませんでした。そんなやるせない気持ちでいた時、妻から掛けられた『だったら、地元の羽村のために何かをすればいいんじゃない?』という言葉が、今の私の原動力になっています」
 そう語るのは、理事長の森佳愛さん。
 『市民パトロールセンターはむら』は、平成21年4月に羽村市防犯、交通安全及び火災予防に関する条例が施行されたことを契機に、平成22年5月に小作駅東口に「市民パトロールセンター」が開設されたことにともない発足した団体です。そして翌年5月には羽村駅西口にも同センターが開設され、両センターを拠点に防犯パトロールを精力的に継続してきました。さらに同年9月からはNPO法人の認証を受け、「NPO法人 市民パトロールセンターはむら」となり現在に至っています。
 「NPO法人 市民パトロールセンターはむら」は、司令塔である事務局と、47名(取材時)の市民ボランティアからなるパトロール隊によって構成されています。そのパトロール隊の名称は、市の鳥の名前を冠した『あおばずく隊』。フクロウの仲間であるアオバズクの鋭い眼光が、街を見守るパトロール隊の存在と見事に重なります。

 「行政、警察、消防、各種団体や地元企業、そして市民。多くの力がひとつに結集されたからこそ、ここまで発展できたと思っています」
 森さんが胸を張るのも当然かもしれません。「あおばずく隊」の防犯パトロールの実施回数は、昨年度は青色防犯パトロールが664回、徒歩によるパトロールは228回に達しました。
写真:理事長の森 佳愛さん
理事長の森 佳愛さん

 

青パトと徒歩の並行で、目の行き届いたパトロールを実施
 相当数の市民ボランティアの方々に御協力をいただきながら、これだけの頻度でパトロールを実施できるのは、事務局を中心に、システマティックに活動計画を構築し、ボランティアの方々が都合のよいときに効率的に参加できるように配置しているから。
 例えば、青パトによるパトロールは、1日のうちに計6回パトロールの時間帯を設けることで、午前中から深夜帯まで幅広い時間帯で街の安全を見守れるようにするとともに、ボランティアの方が参加できる時間帯を都合に合わせて選ぶことができます。徒歩パトロールについても、1日のうちに計3回パトロールの時間帯を設け、ボランティアの方の都合に合わせて、街の隅々まで歩いて見守りの目を行き届けていただけるようにしています。
 パトロールは、青パト隊、徒歩パトともに二名一組で行っています。パトロールを実施する際のコンビは固定されているわけではなく、参加できる人が参加するスタイル。パトロールコースは設定されていますが、町内会や学校からのリクエストにも、柔軟に対応しているそうです。
 こうして、街全体を機動的に広範囲に見守る青パトと、細かく目配りできる徒歩パトを並行し、それぞれの長所を活かして地域の安全を見守る、それが、「市民パトロールセンターはむら」の防犯活動の大きな特徴となっています。
 また、同団体では、あおばずく隊の他にも、わんわんパトロールや自転車パトロールの協力員を募集し、日頃の散歩時や自転車で出掛ける際の防犯パトロール(ながら見守り)への協力を市民に呼び掛けています。
 本年3月末現在、わんわんパトロールに56名、自転車パトロールに64名の方が協力を申し出て、活動しているそうです。
パトロール隊員募集案内(PDF 916KB)
写真:青パト、徒歩パトで隈なく街をパトロール
青パト、徒歩パトで隈なく街をパトロール
写真:徒歩パトロール隊は、公園のトイレ等も細かく確認
徒歩パトロール隊は、公園のトイレ等も細かく確認

 

コンパクトな街だからこそ可能なこと
 青パトは、特殊詐欺への注意喚起をする音声を流しながら、時速10km程度の低速で、街を走ります。
 パトロールコースは公園や通学路等の子どもが多くいる場所、青パトに気付いた小学生たちは、青パトに向かって手を振ってくれたり、敬礼のポーズをしてくれます。そういった子供たちの姿が隊員の方たちには励みになるとのこと。
 表通りから路地までをくまなく走るドライバーの遠藤和俊さんと並木勲さんのコンビは、ふたりとも市役所のOB。この活動に参加した理由をたずねると、遠藤さんは「退職して、毎日やることもなくヒマだったので」とジョークで返してくれましたが、「市役所職員として働いていた現役時代に地元の方々には大変お世話になったので、その恩を少しでもお返しするつもりでやっているんですよ」と言う並木さんの言葉に、遠藤さんも大きくうなずきます。
 「羽村はとてもコンパクトな街。2~3時間走れば、市内のほぼ全域を回れることになるんです」と遠藤さん。


写真:徒歩パトロール隊は、公園のトイレ等も細かく確認

公園や通学路など、子供が多くいる場所をパトロール

 そして羽村市は、平成3年に市になったばかりの“新しい街”でもあります。
 青パトに同乗して回っていると、新しく大きな一戸建てが多いことが目立ちます。昔は一面の畑だったのに、あるときからベッドタウンとして急激に発展したそうですが、そんな新興住宅街の安心・安全まちづくりにとって、今や『あおばずく隊』は欠かせない存在になっています。
 「今年はコロナで大変ではありますが、徒歩パトはソーシャルディスタンスに気をつけながら継続してきました。来年には法人化10周年を迎えますし、羽村をよりよい街にできるよう、今後は若い世代の方たちの参加も募っていこうと思っています」
 抱負を語る森さんの表情はマスクで隠れて半分は見えませんでしたが、その目は温かく微笑んでいました。

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