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船橋小学校の防犯ボランティア隊『船橋小子ども安全ボランティア隊』(通称:安ボラ隊)は、当時PTA会長を務めていた尾﨑さん、副会長を務めていた宮内さんを中心に7年前に発足しました。 「PTA活動に関わる中で、子供たちの安全のためには、地域・学校・保護者の連携、顔と顔が見える関係構築が大切と感じていました。安ボラ隊を結成した当時も、地域ボランティアの方による子供たちの見守り活動や、保護者による登下校時のパトロールは行われていましたが、お互いに情報を共有、発信する場はありませんでした。通学路の安全性を高めるためにも、お互いの活動を知ることが必要と考え、そのパイプ役を私と宮内さんで引き受けることにしました。」と安ボラ隊代表の尾﨑さんは話します。 |

安ボラ隊代表 尾﨑さん |

安ボラ隊副代表 宮内さん |
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船橋小学校の西側は、都内有数の交通量がある幹線道路・環状8号線。残る3方向は、一戸建てが密集している住宅街です。そして、そこに網の目のように狭い路地が広がります。車両1台がやっと通れるような場所や、見通しの悪い十字路などもあります。 「隊員の方には、見守りをする位置や、登下校どちらで見守りをするのかなどの分担をあらかじめ決めることなく、それぞれのスタイルで無理なく活動に参加していただいています。ご自宅近くの道路に立つ人もいれば、車通りの多い危険な交差点に立つ人もいます。散歩のついでに歩きながら見守る、という人もいます。見守りのスタイルはそれぞれですが、皆さん子供が大好きで、子供たちの成長をいつも温かく見守ってくださっています。」 と宮内さんが説明してくれるように、隊員の方々は「おはよう」「行ってらっしゃい」「今日も頑張ろう」と声をかけながら、優しい眼差しで子供たちを見守ってくれていました。なかには、子供たちとハイタッチや握手を交わす隊員の方もいらっしゃったそうですが、今はコロナウイルスの感染拡大防止のため、マスクをしっかり着用し、ハイタッチ等は控えています。 |

コロナ禍以前、子供とハイタッチを交わす隊員 (令和元年11月26日撮影) |
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「隊員の皆さんに、5月に予定していた安全ボランティア会議の中止連絡をした際、皆さんの子供たちに会えない寂しさや、家にいるしかない子供たちを心配してくださる優しい想いが電話口から伝わってきました。6月4日から授業が始まり、早速その日の朝から皆さんが元気に通学路に立ち、子供たちを見守り、挨拶してくれていました。そんな隊員の皆さんの優しい想いを毎日感じて登校できていたことを改めて感じ、大変嬉しく思いました。(宮内さん)」 日々の見守り活動に参加するのは、およそ20名。地域の方をはじめPTA校外委員、学校主事、そして安ボラ隊の方たち。 取材日の6月16日時点では子供たちは分散登校をしており、クラスを半分ずつに分けて午前、午後の2回授業が行われていました。 尾﨑さんは「中には1日に4回も登下校の見守りに立ってくださる方もおり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。」と話します。 この日はPTA会長や校外委員も見守り活動に参加してくれており、「あっちの通学路のほうが誰もいなくて手薄みたいだから、ちょっと行ってきます。」と、速足で駆けていきました。 尾﨑さん、宮内さんは「地域の皆さんもPTAの方たちも、自分から積極的に活動に参加してくれています。これが本当のボランティア活動ですよね」と、目を細めます。 |

両手を大きく広げて子供たちの安全を守ってくれています |
朝8時過ぎの登校時間になると、元気な子供たちが次々と登校してきます。 宮内さんは、次のように話してくれました。 「コロナ禍により、以前と同じ活動ができないこともありますが、人と人との繋がりや子供たちの安全、すこやかな成長を願ってくださる地域の方の想いは変わりません。そんな地域で子育てができることを幸せに思っています。」 そして始業のチャイムが鳴るのを確認すると、この朝の『船橋小子ども安全ボランティア隊』の活動は終了。これほどまでに大切に見守られていれば、子供たちも安心して授業に臨めることでしょう。 |
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最後の一人が登校するまでしっかり見守り |
緑のベストは、子供たちにとって「安心の目印」 (尾﨑さんは普段からベストを着用して買い物等に行くそうです。)
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