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地域有志によるボランティア隊

取組主体の概要 「錦糸町地区暴力追放委員会」「江東橋連合町会」「南口を考える会」
地域 平成31年1月16日・錦糸町駅南口


総勢約60名が錦糸町駅南口交番前に集まりました。
 ビジネス街・繁華街として賑わう錦糸町。特にJR錦糸町駅の南口は、都内有数の歓楽街のひとつです。仕事帰りの会社員が行き交う平日の夜に、地域住民による防犯ボランティア、本所警察署員、墨田区役所の方など総勢約60名が集まり合同パトロールが実施されました。


 この日のパトロールの目的は、安全・安心な錦糸町を目指した「客引き行為の防止」パトロールです。客引き行為の防止パトロールと合わせ、路上喫煙防止の呼びかけ、路上のゴミ拾いが行われます。
 午後8時、錦糸町駅南口交番前に続々と防犯パトロール隊メンバーが集まってきました。ホウキ、チリトリ、ゴミ袋がメンバーに配られ準備ができると「南口を考える会」代表である墨田区商店街連合会・山田昇理事長、本所警察署宿谷署長による挨拶があり、早速パトロールに出発です。

多い時は100名以上集まることも。
 パトロール隊は宿谷署長を先頭にした警察官部隊を前に、後ろに住民パトロール隊が2列の隊列を組んで続きます。先頭では拡声器で客引き行為防止と路上喫煙禁止を呼びかけ、放置駐車車両にはナンバーを読み上げ車の移動を呼びかけます。約60名もの隊列は迫力があり、パトロール効果は抜群です。

商店街を2列で進むパトロール隊。「何が始まったのか?」と、
通行人が立ち止まって振り返るほどの迫力。
 「錦糸町地区暴力追放委員会」「江東橋連合町会」「南口を考える会」の3つの団体は、月に一度、警察、行政と連携した合同防犯パトロールを行っています。「以前は暴力団関係者によるトラブルも多く、錦糸町の街は治安の悪さばかりが目立っていました。」と話すのは、錦糸町地区暴力追放委員会の三代目会長である遠藤浩吉さんです。そこで「見ているだけではダメだ。自分たちで何かしなくてはならない。」と、防犯パトロール活動を開始したそうです。「みんなの努力の甲斐あって、今では暴力団も静かになり、トラブルも聞かなくなりました。」と遠藤会長は話します。

「南口を考える会」代表の墨田区商店街連合会・山田昇理事長。

来年には結成50周年を迎えるという「錦糸町地区暴力追放委員会」の遠藤浩吉会長。
 パトロール中には路上のゴミ拾いも行います。「以前に比べればだいぶきれいになりました。長く続けてきた甲斐がありますね。」とホウキを手にしたメンバーは話します。きれいになったとはいえ全くゴミがなくなったわけではなく、ポイ捨てされた煙草の吸い殻やペットボトル、空き缶などを一つ一つ、メンバーが拾っていきます。また、路上に置かれた煙草の吸い殻入れには、警告ステッカーを貼り撤去を促します。

路上に捨てられた吸殻を拾うパトロール隊。

歩道に置かれた吸い殻入れには撤去を促す警告書を貼ります。
 錦糸町には外国人経営の飲食店も多く、拡声器の声を聞きつけたインド料理店の店主が顔を出す姿もありました。路上でカラオケボックスの看板を持って立っていた客引きには、隊員が声をかけ客引き行為をしないよう指導します。また、歩道に置かれた大きな違法看板を見つけると、撤去するよう指導します。
 パトロール隊のメンバーは錦糸町に二代、三代と長く住み続けている人が多く、「錦糸町は便利だし、住みやすい街なんだよ。」と口々に言い、自分たちが住む街に誇りと愛着を持っている様子が伺えます。

違法駐車された車両の移動をスピーカーで呼びかける隊員。
 錦糸町駅南口では、平成28年に改正された「墨田区客引き行為等の防止に関する条例」により、客引きやスカウト等に対する規制が強化され、今回の防犯パトロールのように、地域、警察、区役所と連携した官民合同のパトロールを定期的に行ってきました。
 また、区では3年ほど前に商店街にスピーカーを設置し、飲食店の客引き抑止等を呼び掛けています。この注意喚起は、地元の声優養成所・専門学校(C&Oプロダクション・アクターズスタジオ、専門学校アニメ・アーティスト・アカデミー)で声優を目指す学生さんの声。なんと4か国語(英語、中国語、韓国語、日本語)での注意喚起が流れています。繁華街の中でも、耳馴染みのいい声で防犯対策に協力していただいているとのこと。地域全体で環境を良くしていこうという強い意気込みが感じられます。こうした対策によって南口の環境は良くなったと、地元の多くの方々も評価しています。
 宿谷署長は「かつての錦糸町は、不良外国人や暴力団員のトラブルが絶えない危険な街でした。しかし、『自分達の住む街は、自分達で良くしよう。』という強い気持ちを持つ地元の方々の様々な取組みにより、かなり治安が改善され、刑法犯認知件数も減少傾向にあります。これからは、錦糸町を訪れた方々が安心して楽しめるよう体感治安の向上に向けた取組みも強化していきます。」と話します。

「防犯パトロール隊の皆さんの活動は本当に心強く、ありがたいです。」
と笑顔で語る本所警察署宿谷署長。
 「南口を考える会」山田昇理事長は、「これからも錦糸町の環境を悪化させないために、官民一体となり、街全体で粘り強く活動を続けていきたい。」と力強く話していただきました。
 最後に合同パトロールに参加した人たちを労うとともに、今後の協力を呼びかけ、約1時間の合同パトロールは終了しました。
 錦糸町という大繁華街を持つ地元の方々の「環境を良くしたい。」という強い意気込みが感じられた合同パトロールでした。

「今日はタバコの吸殻は少なかったけど、空き缶とペットボトルが多かった。」
とゴミ拾いで集められたゴミを分別する隊員。

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