元気に明るく、無理なく根気よく を合言葉に |
元気に明るく、無理なく根気よく を合言葉に
東京都杉並区 和泉ピースプラスワン
○ 結成のきっかけ
平成14年10月に近所の公園で中学3年男子がナイフを持った男に脅かされるという事件がおきました。 その子の父親が所属している杉並区立新泉小学校PTA野球部の父親達で話し合いをしましたが当時は自主防犯が今ほど盛んではなかったので何をすればいいのかわからず、 かといって黙って見過ごすことができずにまず不審者出没抑止のための町内巡回パトロールを始めました。 部員が20名以上いたのに参加に手を上げてくれたのは、6名だけだったのでOB父兄にも声を掛け10名からのスタートでした。 近隣の小中学校にもPTAを通じて参加呼びかけのチラシを配布してもらいましたが参加はゼロでした。 となりの小学校ではどんな団体かわからないという理由で配布さえしてもらえませんでした。 このとき強く感じたのは、危機感の共有の難しさとこういった事への無関心さという大きな壁でした。 ○ 当初の活動
10名で毎週金曜日夜9時から1時間町内の暗がりを中心に回りました。 半年が過ぎた頃地元の4つの町会の防犯部が協力を申し出てくれて30名に増強されました。 私達の地道な活動がまわりの人たちに認められた初めての事だったので、大変感激した事を覚えています。 私達が活動を始めるにあたって皆で決めたことは、絶対に無理はしないという事と自分達の住む町のことなので各自の責任において行動するという事でした。 会費や会則、名簿なども一切作らずに話し合いを基本に会の運営をしていこうというのはひとつ間違えばバラバラになる危険もはらんでいますが、 参加する各自の自己責任のもとに成り立っています。 地域のこのような活動も現在では防犯ボランティアという言葉で括られていますが、私達100名を超える仲間はボランティアという意識は1人も持っていません。 町に住む大人の当然の義務だと考えています。 ○ 活動の広がり
私達が活動を始めて1年がたった頃、区役所の紹介でNHK総合テレビ「難問解決!ご近所の底力」から取材を受けました。 「子供達を犯罪から守れ!」というテーマで私達は犯罪が多発している地域の代表として出演し、 活動はしているが効果が中々あがらないという立場で、全国各地で先んじて結果を出している地域の妙案を頂けるという内容でした。 出演の立場が微妙な役どころだったので賛否がありましたが、出ることにより得たものがたくさんあり感謝しています。 その時提案されたのが ① 町全体で見守りの態勢をつくる。 (高齢者を中心に日中町にいる人たちが声がけをしながら子供達を見守る) ② 子供達の声を生かした防犯マップをつくる。 (出来上がった地図の活用も大切ですが、作る過程においての子供達とのふれあいが大切) ③ 危険回避の疑似体験教室をひらく (「気づき」ということを重点に、警視庁のパンフレットをもとに作成したポスターなどを使い子供たちとともに考える、 また大人は見守っているということを知ってもらう) 以上の3点でした 放映後参加者が一気に増えて100名を超えるようになりました。
テレビで取り上げられるということは特別な事なので、私達にとってはとても幸運な事でした。 最初の1年は誰からも理解されずに結果も見えず、本当の手探りで今日までやってきましたが続けてさえいれば結果は自然とついてくるという事がわかりました。 活動を通じて嬉しい事悲しい事、悔しかった事腹がたった事などいろいろな事がありましたが、 一番良かったと感じる事は同じ町に住む大人として腹を割った付き合いができる仲間が増えたことです。 子供達に対して共に笑ったり泣いたり怒ったりする背中を見せて上げられるようになった事も良かったと思います。 防犯も防災もまず自分達で立ち上がらないと何も解決しないということが広く伝わり、多くの大人の参加により子供達を守る網の目が細かくなるよう活動しています。 こういった活動は達成とか到達はありません。 特別な活動として捉えると長続きしないように思います。 自然なかたちでの参加が望ましいと思います。 現在は私達の町では参加者の勧誘はしていませんが以前よく言われたのは「忙しいから」とか「人付き合いが苦手」という声がありました。 そうなのであればその人たちに合ったやり方もあると思います。 なにもしないうちから断るのではなく、自分にはこういう事ならできるというものがあるはずです。 私達ピースプラスワンのプラスワンはそういう意味でつけたものなのです。 今日お集まりのこれから活動を始められる皆様に伝えることは、表題の「元気に明るく、無理なく根気よく。」という言葉です。
以前に日本女子大学清永教授から頂きました。 元気で明るくないと人は集まりません、無理があったら続きません。 自分がやる事がいい事や素晴らしい事と考えずに普段の生活の一部として、まっすぐ前だけ見てくださることをお願いします。 子供達は大人の背中を見ています。 子供を犯罪から守るにはどうすればいいかという問題に答えはひとつではないと思います。
今は被害に遭わないよう手を尽くしていますが、その子達が成長して加害者にならないとは言い切れません。 まわりの大人達が本気で子供達と向き合い地域で子育てするのもひとつの方法ではないでしょうか。 学校、行政、地域皆で力を合わせる時期です。 長くなりましたが以上が私達ピースプラスワンの活動内容と考えです。 代表 斎藤 史哉
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